賓主互換

裏千家前家元(15代)千玄室さん
文系学生の徴兵で海軍に入隊。
戦争末期、愛機の横で仲間6人とお茶会。
京大出の少尉が「千なぁ、おれ、帰ったらな、お前のところの茶室で茶飲ませてくれや」
偵察機乗りなのに急降下の訓練。特攻をやらされるんだとうすうす感じ始めていた。生還できないとわかっていての、その言葉。
この涙のお茶会が、戦後、千さんの生きるバックボーンになっている。
相棒の西村晃さんと千さんを除いた4人は、みな特攻で戦死。

死に損なった私は茶道を通じ、平和の大切さを訴える役目があると思っています。お茶をいただくのに、人種も身分も関係ありません。誰もが平等です。
賓主互換と申します。お茶席では亭主と賓客が互いの心をくみ取り、相手の立場になるんです。心と心を通じ合わせることが大切です。ところが今の日本人は茶道というと作法ばかりを気にする。茶道だけではない。万事が形ばかりで、人の魂をないがしろにしているのではないでしょうか。
毎日新聞 3月20日夕刊 しあわせ食堂 千玄室さん「羊かん」

「賓主互換」
業務もすべからくそうだろうし、子供と親、友人どうし、先生と生徒、国と国、などなどなど・・・みなそうだろうなぁ。
ここに平和の秘訣、価値を生む秘訣、うまくいく秘訣があるように想う。


エンタテイメントもそう。
キャストさんとゲストとが、互いの心をくみ取り、相手の立場になるからこそ、うまくいく。