身体運動とノリ

菊地・大谷東大ゼミ、より詳しいもぐら屋さん版の講義録で読み返しています。
新しい気づきがあったり、関連情報を調べたり。
プレ・モダンにも、かなりたっぷりと言及されてますねぇ。初回、僕が読み飛ばしてただけか(^^;;;
あぁ、この講義、音とOHP付で受講したいなぁ!!!


さて、ダンスとジャズ史の関係で、言及があったトニー・ティさん。

K 「でもこの人は、マイケル・ジャクソンのMTVのダンサーの振り付け、コレオグラフなんかもやっている人で、単なるね、誇大妄想の人じゃないんですよ。本物です。この人は」
O 「そうです」
K 「本物です。しかも、いかに黒人のダンスがリラックスできて体にいいものかという証明に、『マタニティ・インターロック』という、”妊婦も踊れる”というカリキュラムを編み出した人で。かといって今日の講義にね、とくべつ出てくるわけじゃないんですけど」

webを調べてみました。
どうやら僕と同年輩。もしかしたら広島ですれちがってたりして(^o^)
その、黒人特有のノリ・リズム感を、身体運動から解き明かした「インター・ロック理論」。

 インターロックとは体幹連動という意味である。トニーティーは全ての効率の良い動きは体幹の連動によって生み出されていることに着目し、それが音楽と身体の動き、すなわちダンスによって養われるというユニークな発想の元に、日米ともに数多くの優秀なダンサーを排出してきた。
 基本は7つの体幹往復運動からなり、それらの運動を音楽の拍に合わせて最大瞬発力・最大脱力・最大振幅で行うことにより、音楽の拍の持つ躍動的なリズムを体得する。その後、体得したインターロックの動きは実践におけるダンスやスポーツに自然と動員され、リズミカルでダイナミックな動きを生み出すのである。

で、7つの体感往復運動とは。首が1種、胸と腰がそれぞれ3種。

  1. バード 首を前に出す・・・みゅさんが、よくやってます(^^)
  2. スワン 胸を前に
  3. バット 胸を後ろに
  4. パンサー 胸を左右に
  5. ダック 腰を前に
  6. シュリンプ 腰を後ろに
  7. アリゲーター 腰を左右に

文章だけで、こんな感じかなぁってやってみたら・・・特にパンサーが、動きが固い!でも、身体が気持ちいい!!!操体の施術で感じたのと同じ気持ちよさ。
昨日来、背骨の上半分がばりばりに固く・凝っていたのですが、この気持ちよさをさらに、ゆる体操と肩甲骨ずらしで拡大して、かなり楽になりました。
動きを映像で観ていないので、実はとんでもない勘違いをしてる可能性もありますが(^^;;;;;
僕の動きや踊りを動画で見ると、上体が棒みたいに剛体で、足は足、腕は腕でそれぞれ動いてる(^^;あ、スキーもそうだ。重戦車みたいな上体で、サスペンションみたいに脚が動いて起伏を踏み潰すという感じ。これが、もっとしなやかになりうるのかもしれません。


さて、パンサーがある程度動ける様になってみると・・・腰のほうは、シュリンプが極端にぎこちないですねぇ。腰痛が「ぎくっ」といきそう・・・。
そういえばラテンの腰の4ポジションも、今、後ろ右・後ろ左が痛いです(ToT)なんだか骨盤の座りが悪いような感じ。


幼稚園のころ、「たこ踊り」というオリジナル芸を持っていた(^^;のですが、あの全身をやわらかく使う動きが、大切なのかもしれないなぁ!
さて。東大講義録の中で、「ヨーロッパは上半身、アジアは下半身、アフリカは全身の踊りで、それが音楽の律動に影響している・・・というお話が出てきます。
「そうかなぁ、阿波踊りとか、郷里のやっさ踊りとか、下半身も使うけどなぁ・・・」って想ったんですが、トニー・ティの動きをやってみた今、振り返ってみると・・・座っててもやっさ踊りって踊れるなぁ。一方、腕の動きなしで、足さばきだけ踊っても、踊りに見えないや。
そして、ウインナワルツについて。

それで体に遠心力の加速がつくから、3拍子の舞踏というものはスィンギンなわけよ。で、スィングするし、加速による訛りがつく。

そうなんですよねぇ。ウイーン交響楽団の演奏の、あの独特の揺れ、レコードではじめて聴いたときは、「こりゃ真似できない!」って想いましたが、ワルツで実際にぐるんぐるんとまわってみると、簡単にあの緩急が理解できる。
ラテンでもですねぇ、いわゆる黒人音楽の2連・3連のポリリズムのみならず、3連の刻み自体が、ギターとマラカスとで違ったりして、独特のノリをかもし出します。これ、演奏だけ聴くと、とっても不思議で模倣不可能と感じるんですが、実際にマラカス振ってみると、石の慣性の関係で「なるほど、こうなるんだ!」ってわかりました。


ダンスとジャズが、一旦乖離したモダンジャズ期。
日本でのジャズ熱って、このころ盛んになった。踊れない聴衆・踊れない批評家。だから、音楽構造を身体運動と結びつけた評論がない・・・んだそうです。
一方、イギリスでは、モダンジャズ期にはユニオンの関係で一旦生演奏が入ってこなかったので、スイングのあと、いきなりリズム&ブルースやフリージャズやファンクに。だから、モダンジャズでも踊る・・・んだそうです。
面白いなぁ!