美の奉納・多様なスタイルに共通する魂

ティピコ・オリエンタルの演奏する「トゥラの家」と「チャンチャン」。
映画「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」での見事な演奏とまた違う、雄雄しく・暖かく・素朴で・切ない、なんとも素敵な味わいがあった。
そして幸運なことに、「トゥラの家」は、キューバコンテンポラリーダンスの第一人者と、ヒマグアさんの見事な踊りを、「チャンチャン」は、日本人ペアの味わい深い踊りを、目にすることが出来た。
そして僕自身は、それらの踊りとはまた、まったく違う表現を、自分の体でしたかった。自分の体を想いのままに使ったときに、彼らとはまた、まったく違う表現が生まれるという感触があった。稚拙なものだろう。でも、僕オリジナルの、なにかが。
最終日。もう、これが最後の機会。迷っている場合ではない。体が全力で反応した。全身が耳になり、爺さんたちの紡ぎだす音一つ一つを、全て感じ取っている。それがそのまま、体の動きに反映される。今、この瞬間を、そのまま表現している・・・ふと、神楽を奉納しているかのような感覚、偉大な5人の音楽の神に、そして自分の内なる美のイメージに、自分の全てをささげているような感覚が、僕におとづれた。


今回のメインショー「スタイル」は、ミニー・オー!ミニーと同じ「神に美しさをささげる」というモチーフ、そして、リズム・オブ・ザ・ワールドと同じ「多様なスタイルに、共通する魂」というモチーフを併せ持つ。


そして僕は、前者をティピコ・オリエンタル最終公演で、後者をドックサイドステージの多様な公演で、音楽の生演奏という形態を通しても、深く体験することが出来た。
たかが「遊園地」。なのに、なんて深いんだ、OLC。