コロンビア白熱教室 第5回「幸福になるための技術」

ミケランジェロが大理石の中に彫刻が眠っていると表現したように、余分なものを削ぎ落していって、自分の核をつかむ。
その道具は「選択」


真実の自分にたどり着くことを阻むものはなにか
幸せをどう定義する?どうして幸せの定義がこんなにたくさんあるのだろう。
幸せのための選択を惑わす障害物とは?
Pros & Cons方式の限界

  • 就職活動
    • 追求者 理性で追い求める
    • 満足者 直感で決める


追求者グループのほうが、就職先の給与が高かった。しかし、満足度は満足者のほうが高い。
・・・追求者は、数値化出来る基準、具体化出来る基準を元に設定している。Pros & Cons方式のように。
しかし、感情などのように数値化できないものを測ることはできない。


「幸せな選択を阻むもの1・・・数値にこだわり過ぎないこと。」直感を無視するな。


カップルに、半年後関係が続いてるかどうか尋ねる。
理由を応えたひとたちと、直感で応えたひとたちと。
後者のほうが、圧倒的に的中率が高かった。


理想の彼氏・彼女の条件。
アイエンガー教授自身の条件、そして、夫との出会い
パートナー探しサイトは、希望する条件をたくさん入力する。しかし、ソウルメイトと出会うことは難しい。

  • ソウルメイトを探すには
    • 数字のような尺度を設定することはやめる
    • 多すぎる選択肢を用意しない・・・正確な選択を阻む


「幸せな選択を阻むもの2・・・自分の欲しいものがわからない」
就職活動において望む条件とその優先順位を記述させた。
その優先順位が就職活動期間中に、変わったひとたち 変わらなかったひとたち
前者のほうが、より幸福な職業選択が出来た。


美女が男性に声をかけ、環境調査に興味があれば・と電話番号を渡す。実はどれだけのひとが美女に興味を持ち、電話をかけてくるかという実験。
安全な橋 危険なつり橋 どちらのほうが電話をかけてくる男が多かったか。
・・・後者。どきどきしてるのは、危険だからではなく、美女のせいだと思いたがるかららしい。
そのとき、ほんとは自分がなにを求めているのか・を正確に理解していない。
環境の変化を正確に把握し、それに応じて、いま自分がなにを望むのかをきちんとつかむ。


「幸せな選択を阻むもの3・・・幸せにしてくれるものへの過度の期待」
お金は幸せをよぶ?はばむ?
日本の世帯収入は5倍になったが、幸福度は同程度。
アメリカの年収 5万ドル世帯と10万ドル世帯では、幸福度は同程度。
なにかをたくさん手に入れても、その価値を見失わない人生。
家族・友人との関係を大切にする


「幸せな選択を阻むもの4・・・わかっていても、間違った選択をしてしまう」
マシュマロテスト 4歳のこどもの前にマシュマロを一つ。「私が戻ってくるまで、このマシュマロに手を付けなかったら、もうひとつあげる」さぁ、こどもたちは・・・悩ましそうな子供たちの微笑ましいビデオが流れる。
待てば報酬が得られる・・・セルフコントロールの古典的テスト。70%の子供は、待てずに食べてしまった。
「誘惑から逃れる最もいい方法は、誘惑に屈することだ」オスカー・ワイルド
誘惑に直面した時、直感と理性という2つのシステムが自分の中でぶつかり合う。
いま100ドルもらうか、1ヶ月後120ドルもらうか。選択。それが積み上がる。
マシュマロを我慢できた子供は、追跡調査の結果、高校でも問題を起こしにくく、就職率も高く、収入も多く、離婚率も低く・・・だそうな。
直感が欲しがることをすべて拒絶したら楽しくない。理性とどうすり合わせるか。おすすめは、自分にとって本当に大切なものは何かを知る。そして、自分で決めたルールにしがたうことを習慣にする。クッキーを家に持ち込まないとか、毎週水曜日はジムに行くとか。都度、なにをしようか考えるようでは、直感に負ける。習慣化してこそ、直感と同等のレベルになる。


幸せは常に変化している。
直感が教えてくれるのは「いま、あなたが求めているもの」
理性が教えてくれるのは「10年後にあなたが欲しいもの」ただし、直感にとって役立つ尺度は持っていない。
仕事をえらぶとき。自分の中を観るだけでなく、外の世界を観る。Aという仕事を選んだひと、Bという仕事を選んだひと。だれが幸せそうに見えるか、自分の直感に聴く。「あの人が幸せそうだ」という声が聞こえたら、そちらを選んでみる。
理性は選択に役立つが「個性のバイアス」に気をつける。自分は他人と違うと思いたがるが、実際はほとんど変わらない。
しなかったことでの後悔:したことでの後悔=2:1
選択して終わり・ではなく、はじまり。 自分がした選択を成功させるには、日々成功させるための選択をし続けねばならない。
選択は芸術。全員が同じ結果をつくりたがっているわけではない。違う選択をし、違う結果を創る。自分の心のなかをよく見つめることが大切。


成功した人の資質。
ほかのひとが選択の余地が無いと想うところに、選択を見出す
目標を成し遂げるため真剣に選択という芸術を実行していく資質
選択を日々積み重ねることで、彫刻をしていく。
「私は自分が何者かを発見するために選択する」そのプロセスを通じて、わたしたちはもっとも美しい自分自身をつくることができる。


演壇に歩み寄り、お礼をひとことづつ告げていく学生たち。
ハーバード白熱教室と違い、みな、ノートをとらず、ひたすら先生の話を聞くことに集中してたなぁ。