■

イ・サン

王様崩御。おおげさに嘆き悲しむひとびと。対照的に、王様のひとりの人間としての真情に触れた主人公たちは、まったく違う悲しみ方を。

龍馬伝

夫婦の絆とは。
大儀とは。
芸術や道楽や趣味と、日常生活の所作との対比。
・・・今夜のハーバード白熱教室と、オーバーラップするテーマ。

ハーバード白熱教室　愛国心と正義どちらが大切？

VTRで録画して、23:00から観る。
自由な人間であるとは。
アリストテレスは、潜在能力を発揮する自由を持っていること。
カントやロールズは、”自由で独立した自己”自ら創りだした義務によってのみ自分を律する。”自分の目標を、自分で選ぶ”歴史や伝統など、過去のしがらみに縛られない。
コミュニタリアニズムの論者・マッキンタイアは、”人間は、本質に物語をつむぐ動物である。自分が何をなすべきかは、自分が物語の中でどんな役割を果たしたいかが定まらなければ決まらない。”・・・自己の物語的観念・負荷ありき自己。

リベラリズムでは、義務を、普遍的なもの、同意に基づくもの　の2つだとする。
コミュニタリアニズムでは、それに加えて、連帯や集団の構成員であることに基づく義務がある、とする。
自分の子と、他人の子と、二人おぼれていたら。コインで選ぶ？子を優先することは道徳的に許される？
自分の親と、他人の親と、どちらのお世話を優先することは道徳的に許される？
レジスタンスに加わったフランス人パイロット、ある日のターゲットは故郷の村。出撃を拒否した。道徳的に非難される？
イスラエル政府が、救出作戦で、飢饉のエチオピアから、ユダヤ系エチオピア人だけを助けた。道徳的に非難される？
川を挟んでアメリカとメキシコに分かれているフランクリンという街。アメリカ側の町にだけ、われわれの税金を使ってインフラ整備をする。道徳的に正当化できる？

コミュニタリアニズムへの反論。

1. 自分自身は、複数のコミュニティに属している。その利益が相反し、義務が競合しているとき、どうしたらいいのかわからなくなるではないか。・・・人類という最も大きなコミュニティを優先しては？・・・それは恣意的に感じる。具体的で身近な義務を優先する･･･家族・街・州・国・人類と、身近な共同体を優先するほうが自然ではないか
2. 国境なんて、歴史的経緯で偶然決まったものではないか。・・・国の中なら、つながりが自然に深くなる。便益を得ている。家族も、いろいろ世話になっている・・・悪い親ならどう？・・・持ったことが無いので、わかりません（＾＾）
3. コミュニティの構成員であることから生じる義務は、集合的利己主義ではないか。

愛国心批判派と、援護派に分かれて、討論。Blogでの討論をベースに。
普遍的な正義の原理と、コミュニティへの忠誠心が相反したとき、どうする？
具体的事例は無いか・・・ルームメイトがカンニングしてる。でも、僕は大学当局に通報しないだろう。
どう考えるか、身近な事柄だけに、いろんな意見が活発に出る。
そして・・・歴史的に大きな実事例を紹介。
南北戦争の時の、北軍のリー大佐。南部の連邦離脱には反対だった。反逆罪だとさえ考えていた。奴隷解放にも賛成だった。リンカーンは彼を北軍の司令官にしようとした。しかし断った。”故郷や、自分の家族を攻撃することはできない。自分が戦うのは、ふるさとを守るときだけだ”・・・そして、南部連邦の総司令官・リー将軍となる！知らなかった。

もっとも身近なコミュニティが優先される？
いや、もっとも普遍的で大きなコミュニティを優先する？
いや、コミュニティの大小とは関係ない。独立した道徳律に基づくべき？実際、南北戦争でも家族で南北に分かれて戦った例もある。

1950年代のドキュメンタリー映像を紹介。南部の白人男性が”いままでやってきたことを黒人虐待といわれても・・・”と率直に戸惑いを語っている。
個人は、伝統に縛られてしまう。
ある時代の、あるコミュニティにおける共通理解を、そのまま道徳律と結びつけることは、避けねばならないだろう。

次回、最終回。
いったいどこに着地するのか・・・。