NCW:ネットワーク中心の戦い

ちょっとした寒風に川面が細かく波立つ。
オレンジの夕日が、まわりのうす雲を穏やかに染めて、富士山の脇に沈んで行く。
明後日あたり、ダイヤモンド富士かなぁ。


PDCAサイクルを調べてて・・・

朝鮮戦争の航空戦闘についての洞察を基盤にして、指揮官のあるべき意思決定プロセスを分かりやすく理論化したものである。すなわち、監視(Observe)- 情勢判断(Orient)- 意思決定(Decide)- 行動(Act)のサイクルを繰り返すことによって、健全な意思決定を実現するというもの

(これもPDCA同様、四諦と関連付けできるように想う。監視=苦 → 情勢判断=集 → 意思決定=滅 → 行動=道・・・あ、”問題解決のPDCA”と、とても似てますね。)
その関連項目から

革新的軍事コンセプト。高次の情報ネットワークによって情報を伝達・共有することで、意思決定を迅速化するとともに戦力運用を効率的に行うことを目的とする。

このコンセプト、読み砕いてみると、20年ちょっと前に実習で体験した”最高にうまくいくチームの在り方”と相通づる。
以下、要掘り下げ。
たぶんOODAループ自身が悪いわけじゃない。朝鮮戦争パイロットは、各自がOODAループを迅速に回し、ほぼリアルタイムに情勢変化に対応していたはず。
それを、ピラミッド型組織全体をひとつの単位として、適用・運用したとき、オーバーヘッドが大きくて、タイムラグが無視出来ない大きさになった・ということだろう。
だから、分散処理型のネットワーク組織にする。

PCWにおいて、戦闘力の根源は、センサー機能と意思決定機能、交戦機能が自己完結するかたちで組み込まれた個々のプラットフォームにこそあるものとされている。

ところがこれだと、連携がうまくとれない。で、グリッドの概念を導入。

NCWにおいては、この枠組みを解体し、全プラットフォームを、情報系、センサー系、交戦系グリッドの部分集合として捉えなおす
(中略)
適切な交戦規定 (ROE) 策定の上で、下級指揮官に対して意思決定権限を委任(Bottom-Up/Power to the Edge)
(中略)
共通戦術/作戦状況図(CTP/COP)を作成することで、全階梯で情勢認識および上級指揮官の意図を共有し、下級指揮官が主体的に敵情に対応して行動を起こすようにする (自己同期: Self-Synchronization)

この3点が主眼らしい。



さて、その記事で記事中で紹介されてたのが、この論文。
まさにNCW であった日本海海戦
読み応えあり。なぜ、日本が勝てたのか。ロシアが負けたのか。
野村監督の言葉どおり。

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。

そして、なぜロシアが負けたのかを的確に分析しなかったからこそ、第2次大戰の敗戦があるんだなぁ・・・。