乗り物代は10円か50円で、4歳未満の幼児に付き添う大人は無料。入園無料。そんな遊園地がある。前橋市中央児童遊園(愛称・るなぱあく)だ。

 遊具は高さ14・5メートルの飛行塔やミニジェットコースターなど20種類。毎年約40万人が来園し、休日は歓声が絶えない。一番人気は10円で乗れる木馬。1954年の開園以来姿を変えておらず、現役木馬としては日本最古で、07年には国の登録有形文化財になった。

 かつては市が競輪場の利益で運営してきたが、06年にNPO法人が運営を引き継いだ。田原学園長は「安全・安心がモットー。小学校2年生以下が楽しく遊べる遊園地はそうない。料金も全国で一番安いはず」と言う。

 今年の正月、川崎市から50年ぶりに園を訪れた前橋出身の女性(65)は「懐かしい場所がいまだに残っていてうれしい」とメッセージを書き残した。「もうけを出そうと思わない」(田原園長)。子供重視の姿勢が支持を受け、園の存続につながっている。「日本一なつかしい」というキャッチフレーズにうそはないと思う。【鴨志田公男】

毎日新聞 2009年10月30日 東京夕刊