かけがえのない”ひと”

僕は、毎日新聞が大好きだ。
ものごころついてから、ずぅっと読んでいる。


”記者の目”というコーナーが始まったのは、中学生のときだったろうか。
ひとりの記者が、私見を徹底的に書く。かつては確か、まるまる1ページ。今は小さくなったけれど、それでも社説の倍くらいの分量がある。
時には、社説と真反対の意見が出ることもある。自社紙面の批判も出る。記者同士が正反対の意見を戦わせることもある。つい先だっても、土俵上でのガッツポーズを批判する意見がのった翌週、むしろ賞賛すべきという熱い意見が掲載された。


この名物コーナーで鍛えられるからだろうか、毎日新聞には、記者個人の顔が浮かぶような記事が多い。署名記事も多い。投書欄もコラムも、多様な意見が取り上げられる。特集記事の掘り下げも深い。
かけがえのない”ひと”・・・ひとみなすべて、ひとりひとり、世界に二人と居ない・・・を感じさせてくれることが、実に多い。
それと比べると、他紙は”社の方針”に沿った、一面的な記事で塗りつぶされているように感じられる。


そんな毎日新聞の名目躍如たる、今日の”記者の目”。

 マイケル・ジャクソン死亡のニュースが世界中を駆けめぐった日、私は自宅にある彼のコンサートDVDを繰り返し見ながら、翌朝まで泣き続けた。亡くなったことはもちろん、悲しい。でもそれ以上に、誤解され、攻撃され続けたまま亡くなった彼の悲しみを思うと、悲しくて悔しくて、涙が止まらなかった。


 死亡後、マイケルに関するニュースや世論はかなり好意的なものに転じた。しかし、彼の音楽やダンス、人間性にきちんと向き合ったとは思えない報道の多さに憤りを感じる。8日の本欄「情報社会とスター契約」(東京学芸部・川崎浩記者)など毎日新聞の一部記事もしかりだ。繊細で傷つきやすかった彼が受け続けた誤解を、少しでも晴らしたい。


 「彼は白人になりたかった」という分析がある。しかし、そういう発言をする人は、彼のインタビューや曲、歌詞など調べずに、思い込みで発言しているのではないか。

(中略)

 マイケルは確かに変わっているかもしれない。ダーティーで過酷なショービジネスの世界にいながら、純真で無邪気で思いやりに満ちていた。他人のために惜しみなくお金を使い、特に困っている人、子供たちのために多額の寄付やプレゼントを続けた。マイケルをあまり知らない人たちにはダンスミュージックの印象が強いだろうが、差別や平和、共生をテーマに強いメッセージ性のある曲をたくさん作った。透明感と伸びのある美しい声でバラードも歌っていた。どの曲も、時がたっても全く色あせていない。


 そんな彼が生けにえのように攻撃された原因は、残念ながらメディアにある。吉岡さんは「メディアが白人だったというのは絶対あると思う。白人メディアの黒人アーティストに対する扱いはかなり差別的だ。矛盾した言い方だが、もしマイケルが白人だったら、こんな扱いはしなかった」と話し、「(肌が白くなった原因の病気)尋常性白斑についてなど、われわれの無知がマイケルの周りにちりばめられて、一斉に誤ったことを書くメディアが免疫不全に陥っていった」と指摘する。


 初の黒人大統領の誕生と、人種差別に苦しめられたマイケルの死亡が同じ年だったのは感慨深い。今年は人権が勝利する時代の幕開けになってほしいと、マイケルファンの一員としても、心から願う。(北海道報道部)

ニコニコ動画で、追悼式でのブルック・シールズさんのスピーチ、字幕付全文を発見。
D
「本当に大切なものは、目には見えない。こころの目で観るんだよ。」

黒と白、善悪、好き嫌い、美醜、善悪の木の実を食べてしまったイブの子孫である私たちは、どうやってこれを超越できるのか。。Black or Whiteの歌詞そのものです。難しい。実に白と黒を越えるのは難しいです。でもこのブログを拝見して、ちょっとヒントが得られたような気がします。

実は、僕は簡単だと想ってます。白と黒とを越えるのは。


刷り込まれた先入観を一旦脇において、まずは、ただ感じる。感じたままに動く。それだけ。
やがて、脳みそが追いついてきます。


いま、ちょっと見つからないのですが、
数日前、こんな痛快なBlogの記事に出会いました。曰く、こんな感じ

80年代からマイケルのファンやってるひとたちにとっては、マイケルの肌が黒かろうが白かろうが、関係ない。
たとえマイケルが「僕、実は宇宙人なんだ」と告白したとしても、
「へー、そうなんだ!・・・で、次の新曲、どんなの?楽しみにしてるよ!」

まったくそのとおり!
もっと論を進めれば・・・
たとえマイケルが殺人を犯したとしても、
僕はその罪は憎むだろうけれど、マイケルの存在そのものは憎まない。マイケルの曲や踊りの価値が下がることも無い。


だって、
マイケルの歌や踊りが、僕のこころを動かした
・・・これは変えようの無い真実だもの。