オペラの観客

毎日新聞日曜版 宮本亜門の五十音らくがき帳
若かりしころ、ヨーロッパに演劇全般の勉強のつもりで行って。オペラの演出の斬新さ、そして観客の厳しさに魅了されたんだそうです。結果、オペラばっかり観てたとのこと。
フランスでは、主演の歌唱の是非をめぐって観客が対立、殴り合いになったり(^^;
イタリアでは、公演中に観客の1/3が帰ってしまったり。
ブラボーとブーイングが、激しく応酬したり。
バイロイトの劇場は、途中退席できないくらい客席がびっちり詰まってて「さすがワーグナー(^^;」


観客が、舞台を育てる。
日本人観客に、その気概はあるのかな?
ひたすら受身で、与えられたものをただ頂いているのでは、映画を観てるのとおんなじなんじゃぁ無いかな。
ましてや、自分ひとりの世界に入ってしまっているのでは、ホームシアターに座ってるのとおんなじ。
わざわざ劇場で、生のパフォーマンスを観るわけですから、それならではの態度というのはあるんだと想うなぁ。


先日の亜門さん演出の「ドン・ジョバンニ」。ひとりのお客さんが、公演途中にすっくと立ち上がり、亜門さんのほうを振り返って「俺はこんなものを観に来たんじゃない!」と叫んで、憤然と劇場を出て行かれたとのこと。
亜門さんは「これで日本のオペラも活性化するかも」と、嬉しかったんだそうです。
岡本太郎さんにも、似た逸話がありますね。


みんなちがって、みんないい。