競争よりも、競創や協創

Win-Winという言葉は、随分普及しました。
でもまだまだ、”敵という幻”を創って危機感をあおる手法を、つい使いがちです。僕自身も、僕の勤務先も。
つぶす相手が明確に見えて、非常事態の馬鹿力も出る。
でも、オリジナリティは発揮されがたいし、馬鹿力は長続きしない。

・・・なぜ、長続きしないか・オリジナリティが発揮されがたいか、説明した記事を見つけました。

人は痛みや恐怖を感じると、脳内にノルアドレナリンを分泌する。そのノルアドレナリンを使用しながら、人は「痛みからの逃避」か「痛みとの闘争」という行動に入っていく。(危険なライオン等の動物に出会った時のとっさの本能的な反応ができるのは、恐怖によるノルアドレナリンの分泌のお陰。)

このノルアドレナリンの分泌は、瞬間的には、強いモチベーションになり、人を行動に駆り立てる。(瞬間的爆発力の観点で言えば、痛みの恐怖は、快楽を求めるモチベーションよりも人を行動に駆り立てます。)
(中略)
企業の中でこのノルアドレナリン型モチベーションはかなり多様されている。例えば

  • 業績給によるモチベーション(多くは賃金が下がる恐怖の方がモチベーションとして左右している)
  • 社員への管理強化・会議での叱責、怖い上司
  • 朝礼や会議での激!
  • 数日間の気合いを入れるための研修会
  • 自分の問題点を嫌気がする迄見つめる研修会

これらの効果は、多くの企業で実証済みだろう。(中略)しかし、問題は持続性。ノルアドレナリン型モチベーションは、「ここぞ!」という場面では、使ってもいいのだが、劇薬だ。
(中略)
痛みが続くと、ノルアドレナリンの使いすぎにより、痛みが麻痺状態になっていく。やがてその痛みが当たり前になり、痛みや恐怖がモチベーションとして機能しなくなり、無気力行動になってしまうベトナム戦争に行っていた帰還兵が戻ってくる廃人のようになったというようなエピソードなどもこれらが原因と言われている。
(中略)
火事場の馬鹿力がどうしても必要な時以外は、、ノルアドレナリン型モチベーションを使わないという覚悟が管理者には必要になってくる。

もう、どうなってもかまわない・・・と、破れかぶれになってしまうひとって、
もしかしたら、ベトナム帰還兵のような状態なのかもなぁ。

ドーパミンは、気持ちがいい時に出てくる脳内物質である。

・大好きなケーキを食べている時
・友人達との楽しい会話
・充実している仕事をしている時
いろんな快楽の体験を行っている時に出てくる。ドーパミンが出てくると「学習強化」機能が働くのだ。ドーパミンを発生させた行動を「もっとやりたい!」という気持ちにさせていく。だから、ある仕事でドーパミンが発生すると、給料や上司の目の為に働くという事ではなく、その仕事がやりたいから働くという状況になっていくのである。

ただ、この部分はノルアドレナリンほど急激なスピードが期待できない。その行動で、何度かドーパミンを発生させるという体験がなければ、「学習強化」機能が働かないのだ。しかし、これは長期的に効果があるし、その副作用も少ない。
(中略)
これからのリーダーの最大の仕事は何か?担当する組織の「仕事を楽しくする」事!それが最高のモチベーションだ!それが最高のリーダーの仕事ではないだろうか?

劣等感という概念を発見した心理学者、アルフレッド・アドラー曰く、
「”人生は競争だ”と思っている人間は、最初は勝ち続けても最後には敗北者になってしまう。それはほとんど避けられないことだ」
競争よりも、競創や協創・・・ってことっすかね。