PDCAサイクルと四諦 その2

■計画達成のPDCA+問題解決のPDCA
 -計画達成のPDCA
 計画(Plan)→実行(Do)→チェック(Check)→対策(Action)
 -問題解決のPDCA
 発見(Problem-finding)→見える化(Display)→除去(Clear)→確認(Acknowledge)

ほほぉ、なるほど。
とはいえ本来、前者のPDCAで、問題解決もできる。
なのに、この2つのPDCA、なんだかサイクルがずれてる気がするなぁ・・・


まてよ、問題解決のPDCAを、四諦に当てはめると、どうなるんだろ。


苦=発見(Problem-finding)
集=見える化(Display)
滅=除去(Clear)
動=確認(Acknowledge)
・・・まさに四諦そのまんまじゃないか!わかりやすい。


その上で、

苦=Check が、現状と理想とのズレを教えてくれ、
集=Action が、業と因果律を明確にし、
滅=Plan  で、因果と業を組み換え、資源として活かす道を見出し、
道=Do   で、誠実に実行する。

と重ねあわせると、各ステップでなにが大切なのか、より明確にわかるなぁ。
Checkは、ズレの発見
Actionは、見える化
Planは、根本的解決
Doは、経験知の蓄積と共有
・・・これをしっかりやらないと、浅いものに終わったり、失敗するよなぁ。


してみると、Actionって、とっても大切だ。

Actionをとることで、なにが苦の本質なのか、どこに働きかければ根本的解決に結びつくのか、見えても来るし、共通認識を広げられもする。

ISOマネジメントシステムでは、Actionのステップに、”マネジメントレビュー”というのが含まれる。
このレビューでは、その組織の最高経営責任者のもとで、サイクルの振り返りをやると同時に、次のサイクルの方針設定や、目標策定も行う。


見える化”なしにPlanに行って、ここで方針設定や目標策定をやると、”机上の空論”になったり、協力が得られなかったりしやすい。
しっかり汗をかきながら”見える化”しておけば、
Planの段階では、共通認識のもとに、根本的解決策を立案することに集中できる。


たとえば、僕がかつて担当した、品質管理室の移転。
具体案=Planを、僕と品質管理室のそれぞれが作成して、製造部長に選んでもらう・・・という形をとった。
結果、品質管理室作成案・・・旧レイアウトを、ほぼそのまま移すという、わかりやすいけれども、移転メリットがとても小さなプランが採用されてしまった。
もしPlanの手前で、Checkで浮き彫りになっていた問題点を、製造部長・工場長まで共有し、他工場の事例を品質管理室メンバーに見学させ、方針と目標を立ててから、具体案の立案に入っていたなら、そもそも2つの案を並行して立てる必要さえなかっただろう。


どんな自分にもなれるのに、目標や計画を立て過ぎて、自然にまかせることをしないから、目標程度でおさまってしまう。

四諦=P-D-C-Aサイクルって、固定しがちな目標や計画を、”なりゆきに仕合わせる”ためのものだと、いえるのかもしれない。
諦=明らかに観る のは、仕合わせるための手段。それを目的と取り違えてしまうところが、僕にはあるかもしれないなぁ。
それでいて、Action=見える化が、一番おろそかになりがちなのは、これ如何に。
観ることに熱心でも、見せることには興味がなかった・かも。