熊本では、建築に関して、こうした取り組みもなされているそうな。

くまもとアートポリスによるプロジェクト施設は67件が竣工しており(2008年3月現在)、海外メディアには「県全体が建築博物館である世界にも類を見ない地域」として紹介されている。
公共建築は、競争入札により設計者を決めることが通常であるが、くまもとアートポリスにおいては、設計者の選定についてコミッショナーに全権が与えられるという特殊な制度を取っており、これが最大の特徴となっている。
グランドデザインは持たず、個々の建築については各設計者に任される。民間施設の参加も可能であるが事例は少ない。これにより作られた施設自体には「K.A.P.」の銘板が埋め込まれ、設計者や施工者が明記されている。
上記のコミッショナー制度により、著名な建築家を招いたり、また若手の建築家に公共建築に携わる機会を与える登龍門的な役割を持ったりと、日本において建築を志す者にとって、熊本県は東京・大阪などの大都市とともに、無視できない地域となっている。
過去においては、富山県岡山県広島市などにおいても同様のプロジェクトが設けられた時期があったが、20年4代の知事にわたって制度が持続しているのは熊本県だけである。