香山リカさん、近刊の目次の”勝間さんを目指さない”に爆笑したけれど、今日のコラムも秀逸。
北海道のある町の、中学生への講演を頼まれて・・・

 その日、私はふたつのことを話した。ひとつは、「夢などなくても大丈夫」ということ。自分で気づかなくても、心の奥の奥ではちゃんと「私にはこれが向いている」「僕がやりたいのはこんなこと」と計画が立てられていることが多い。

 だから、自分を信頼し、とりあえず目の前にあることを一生懸命やろう。そうすれば、心はあなたを正しい方向に導いてくれるはず。

 それから、もうひとつ。「いま悩んでいる人、傷ついている人はラッキー」という話もした。中学のときにイヤな体験をすると、「こんな人生、最悪」と思ってしまいがちだが実は違う。

 大事な思春期のときに悩み、苦しみに立ち向かう経験をした人は、一生を乗り越えるだけの知恵と勇気を手にできる。逆に、「毎日が楽しくて楽しくて」と挫折も悩みも知らずにこの時期をすごした人は、大人になってからちょっと気をつけたほうがいい。

 そういう話をしたら、会場にいた数人の女子生徒が涙ぐんだり目を押さえたりしているのが目に入った。