ポピュラー音楽による社会革命

数日前、読売新聞に、マイケル・ジャクソンを、文化史的功績から論評したコラムがあった。
アメリカ発のポピュラー音楽による革命を、ついに成就させた到達点。それがマイケルだ・・・と。
We are the World”と宣言し、貧困を救うパワーを発揮し、冷戦から開放されたひとびとに自由を体感させた。
音楽で世界をひとつにした。そして、彼以降、世界中の人を熱狂させるような音楽は現れていない、と。


なるほど、1980年代って、70年代に比べて音楽の変化に乏しいような気が、僕はしていたが、
実は革命が成就した時代だったのかも。


古代からたぶん、楽器も奏法も、シルクロードなどの交易を通じて、相互交流していたに違いない。でも、ひとつの曲が、世界中で演奏されるというわけには、たぶんいかなかっただろう。
19世紀、クラシック音楽の作曲家たちが、世界各地の旋律をとりこんだ曲をつくった。
20世紀初頭にジャズが生まれ、音楽はその魅力で、少しづつ偏見を乗り越え、人種・世代・国境を超えて、みなでともに楽しむものへと成長していった。最近よく言われる”ソフトパワー”というやつか。


では、日本の音楽は、世界に影響したっけか・・・マダムバタフライに旋律が取り込まれたくらいだっけか?!?・・・と思い返して気づいた。してる。80年代の革命成就に、とても大きな影響を与えてる。
アーティストで言えば、YMO。それが象徴する、MIDIとデジタルシンセサイザーは、音楽のありようを大きく変えた。YAMAHAKORGROLAND、CASIO。みな日本のメーカーだ。
そして、CDの開発と普及も、日本があったからこそ、だろう。
なるほど、”ハイテク”な国なんだな、日本って。


BOX CDセット"Michael Jackson The ULTIMATE COLLECTION”のブックレットに、Elizabeth Taylorさんの言葉があった。

In my estimation, He is true king of pop, rock and soul.