局舎の保存部分を現行計画の十数%から約3割へ倍増し、高層ビルの完成後に登録有形文化財として登録することで文化庁の了承を得たと発表した。保存部分以外の取り壊し工事を近く再開する。

ううむ、残念・・・。
日本が世界中に影響を与えた、実例なのになぁ、あの建物。


何度も書くけど、
80年前には画期的に斬新な建物だったのが、今では、ごく普通の古いビルに観える。それがあの建物の凄さ。
あの建物が提示した美や考え方が、以後の建築に多大な影響を与え、普遍化したからこそ。


レプリカ再現部分が実物保存になるとはいえ、あの不恰好な増築が、ほぼそのまま建ってしまうのか。
・・・というか、高層化するにしても、最初っから工程で手を抜かずにそうしろよ、と想うのは私だけでしょうか。
そもそも、登録有形文化財として認められなければ、あの容積率割り増しは成立しないんじゃなかったっけか?!?

日本建築学会(斎藤公男会長)は、東京と大阪の両中央郵便局について、「国指定の重要文化財の水準をはるかに超える価値がある」との見解を発表した。

騒ぎにより専門家の検討会で全面保存が求められていた経緯も明るみに出た▲新計画は総務相も了承し、中をとった落としどころで騒動も幕となる。だがこれで近代建築や街の保全に新たな基準やアイデアが残ったわけでもない。街づくりでも文化財保護でも、その場しのぎというお家芸はなお健在のようだ。

丸の内は日本の近代化の中で形成された歴史的街区でもある。そこに価値を見いだした再開発も可能だったはずだ。現実には、その方向は困難になっている。それならば、全国の再開発計画を歴史や景観の観点から再点検するきっかけにしてはどうか。機能一辺倒の街づくりから抜け出す手掛かりとなるだろう。