NHKスペシャル ドキュメント北朝鮮①「個人崇拝への道」

開始後10分ほどたってから観る。
圧巻。
僕が生きている間に、こういう番組が観られるとは。
あと40年生きられるとして、さて、世界はどこまで変わるだろう。


個人崇拝、プロパガンダ、権力闘争、したたかさ、時代の流れ・・・。
「権威」の持たせ方が、まずはグーテンベルグの活字の発明で変わり。
そしてここ150年、新聞、電信、ラジオ、映画、TV、交通機関の発達で加速して変わり。


ヒトラーが活用したマスコミによる大衆誘導。
その反省の元に、戦後日本のマスコミは中立性・客観性を保とうとしてきたはずなんだけれど、自己検証の仕組みを持とうとしてきたはずなんだけれど。
今、それがちとおかしくなってる様に見えるのは、
場当たり主義で大局観が無い団塊世代が経営層を担っている、この10年限定の現象なのか、
教訓が忘却の淵に沈むがゆえの、不可避な流れなのか。


インターネット。携帯電話。
衆愚政治を加速するのか、市民全員が賢人化するのか。
市民全員が賢人化することを夢見て創られたテクノロジー。100年のスパンで、そうなっていくはず・・・


全員に、全体の状況がリアルタイムで観えていれば。
全員に、必要なときに必要な範囲に、声を伝える手段が確保されていれば。
人生は、「協働して創造する場」としての色彩を深める。
18年前、グループワークで体験し、会得したこと。
250人が、あっという間に利害対立を調整し、全員がうまく行くスケジュールを組めた。


プエブロ号事件時の、ソ連政府高官のことば。
北朝鮮主体思想で、自分の国のためならどんな手段を使ってもかまわないと教育されてる。そんな国となるべくなら付き合いたくない。付き合っているとこちらまで病気になってしまう・・・」
「駆け引きに勝利すること」しか考えていない病んだ人って、ごく少数ながら実在する。
その行く末は、北朝鮮を観ているとよくわかるな。
「いまさら、この生き方は変えられない」・・・いや、変えないと、いずれ確実に破滅。


「情報を統制し、駆け引きをしないと、自分に関心を持ってもらえない。生存が脅かされる」・・・という恐怖が、そんな生き方の根底にはある。
「人生は、闘争して奪い合う場」


全員に、全体の状況がリアルタイムで観えていれば。
地球全体がうまく行かないと、自分の生存も危ういことがはっきりわかる。
地球全体がうまく行くことに、自分が貢献できることがはっきりわかる。
争奪戦よりも、貢献が、自分を深く幸せにすることが、はっきりわかる。


全員に、必要なときに必要な範囲に、声を伝える手段が確保されていれば。
誰も自分の状況をわかってくれないという恐怖から解放される。
所詮みな、自分の利益しか考えないという誤解から解放される。
多めにぶんどっておこう、どうせみんなもズルイんだからという貪欲から解放される。
声の大きな人に付き従わなければ生存できないという依存から解放される。


恐怖からの解放には、2世代くらいはかかるのかもしれない。
でも、100年後には。
地球全体が輝きを増すように、個々が創造性を存分に発揮する。そんな時代になっているはず。


そのときには。
魅力的な人をべったり追いかけて、自己の理想像を投影したり、
誰かを傷つけてかりそめの優越感を得たりしなくても。
「自分の人生のスターは、ほかの誰でもない、自分だ」って、ひとりひとり実感しながら生きているはず。