ゆるめることで芯がとおる

先日、立ち寄った書店で"ゆる体操"の本が、平積み台にぽつんと置いてあって。
所定の位置に戻そうとしたけれど、収まるべき場所が見当たらず・・・縁を感じて購入。


仕事力が倍増する<ゆる体操>超基本9メソッド isbn:4774506877


9つの体操が紹介されています。
やってみて・・・腰痛や肩こりが、まだ皆無にはなっていないですが、意識しないで済んでる時間が随分増えた様に想います。眠りも深くなってるなぁ!


体操そのものが、あまりにもシンプルで簡単。
なので、その意義を伝えることに、たくさんの努力をされています。
「ビジネス書」として、"ゆる体操"の本を書こうということ自体が、チャレンジングな試みといえるのかも。
りょうさんあおさんのBlogを読み、操体の施術を受けたときにも感じたのですが、身体って、こころや思考に、大きく影響してますね。だから、身体を通して気づき、まなべることって多い。そう想います。
心理学も、思考や感情や観念からのアプローチのみならず、身体からのアプローチも大切なのかもしれませんね。


特に印象に残ったのは、「身体意識」のお話。
著者が「ベスト」と名づけている”肩の力を抜く”身体意識は、僕は17年前に修得しました。当時、「背中が丸まってる、肩が前に出てる」と指摘してくださった方があって。背骨にひざを当てて、”ぐいっ”と肩を後ろに出し、「このポジションで居るように、しばらく心がけてごらん!」・・・最初は違和感ありました。でも、このほうが気持ちいい!で、数ヶ月意識するうちに、身についてきました。
この本に言われてみればなるほど、この身体意識を得たことは大きかった!「こうじゃなきゃいけない」と自分を窮屈にし、力を発揮できない状態が、解消されてるんです。ありのままで居られるようになった。
「レーザー」と名づけている身体意識は、5年前に身につけたのかな。こちらは、感覚的には先に意図や大切なものが明確になって、ふと気づくとその意図を、自分と相手とに流れるものとして体感できる様になってました。24時間、ひとりきりで自然の中で過ごした体験、特にくまん蜂と対峙した体験は、この意識を身につけるうえで大きく役に立ってるなぁ。


そして今回。ゆる体操を通してつかめそうなのが、「センター」という身体意識。
頭頂から尾骶骨まで、まっすぐに伸びている感覚。イチロー選手が、この身体意識が優れてる代表だそうです。なるほど!
で、努力で育てられるこの「センター」という意識が、自堕落極まりない”ゆる体操”でも会得することが出来る。
なるほど「坐骨モゾモゾ座り」という、腰が抜けてしまうようなネーミングの、体操と呼べないほど簡単な動きで、確かに感覚がつかめてきました。
厳しく、鍛錬して育てるのではなく、だらーっとゆるめることで、理にかなった状態にからだが調整されていく。


これって、いろんなことに通づるなぁ・・・なんて話をラスカルさんとTELでしていたら、知床のクルーザーからヒグマの写真を撮った時のエピソードを話してくれました。
望遠レンズを使うわけだけれど・・・三脚を使っちゃ駄目!
だって、クルーザー自体が揺れてるからね(^^)エンジンの振動もあるし。
からだをゆるめて、しなやかに保持する必要がある。


世界も、海と同じように常に揺れている。
だから、固めてしまうのではなく、理にそってしなやかに動く必要があるんだなぁ。


今まで、背骨をあるべき姿に固めようとしていたようにすら、想います。
これを柔軟に緩めることが出来たら。おそらくは、思考も行動も、やわらかく、そして理にかなって、まっすぐになるような予感がしています。