魅力の創出

LRT関連の動きをいろいろ観ていく中で・・・具体的成果が結実しているところと、まだ実現への盛り上がりに欠けるところと、失敗に終わってしまったところと、その違いが感じられてきた。


具体的成果が結実しているところは、
1. グランドデザインがしっかりしている
2. 妥当性のある具体案が、きちんと練られている
3. 提案が広い範囲に(市民・行政首長・運営会社・警察署・マスコミ)、わかりやすく提示され(イラスト・図面・模型・試行設備投資)、共感を呼んで、大きな動きを創り出している


逆に失敗に終わってしまったところは、郷愁やもったいなさという感情レベルにとどまり、それが妥当性のあるグランドデザインや具体案に昇華されていない。
また、広く共感を呼ぶようなプレゼンテーションにも欠ける。


今でこそ、広島市路面電車活用の優等生。日本における先進事例とされる。
でも、かつて広島市に3年住んでいたから、よくわかるのだが、市民一般が路面電車を好きだったわけではない。時代遅れの恥ずかしい乗り物というイメージは強くあった。現物があるからこその、固定観念の生成ってある。


一方で、現に有用さも享受している訳だし、的確なビジョンを、明確にプレゼンテーションすれば、体感を伴った理解もされる。
新鋭車両の導入・停留所の大改良を、ごく一部でも実現すれば、全体が改善されたときのイメージは描いてもらいやすい。
結局、「街の特質を的確に捉え、魅力を創出する」ことにエネルギーを注いだから、流れが起きたのだろう。
一時は高架道路計画も漏れ伝わり、あの広々とした広島市街地の美点が失われるのかと心配したが、取りやめになった模様。3年前、久しぶりに訪ねたとき、実に美しい街に進化していたのが嬉しかった。
今回知ったオープンカフェの取り組みにしても、川という資源を生かしていて、着眼点が素敵だと想う。


都市計画論的観点から、都市交通のグランドデザインについて、判りやすく解説されているサイトを観つけた。webって、こういう高品質な情報があるから凄いなぁ・・・。

街の回遊性を高め、賑わいを呼ぶために、なにを考えればいいのか、実に的確にまとめてある。

おなじサイトの都市交通に関する記事。LRTが贔屓の引き倒しのようになってしまう傾向を踏まえ、多様な交通システムの得失を、的確に判りやすく解説してある。


こういう記事を読むと・・・TDRって、都市計画論をきちんと踏まえて開発されてることが、よくわかりますね。

バスでも、高度化すればここまでできる・・・という事例。

わ!あそこでここまでバスが活用されてるとは・・・知らなかった。明石大橋が鉄道併用橋にならなかった分、それ以上に便利な交通システムが構築されてるんだなぁ。舞子駅との連携も見事。