殺処分ゼロ・・・大切にすべきものは、なにか。

嫌な思いをさせないことが、顧客満足ではない。

「殺処分ゼロを目指す」2002年、熊本市動物愛護センタ?の職員たちは実現不可能とも思えるそんな目標を掲げた。合言葉は「嫌われる行政になろう」
久木田憲司所長は当時をこう振り返る。
「本来、市の窓口は市民に嫌な思いをさせてはいけないのですが、犬を捨てに来た人には、嫌な思いをしてもらおうと決めました。窓口では時には声を荒げてでも説得し、翻意してもらおうと考えたのです」


動物愛護法で、「飼い主は最後まで飼う義務がある」という趣旨の文言もある。・・・の理念こそ重視すべきだと判断したのだ。

(中略)

場合によっては、飼い主を殺処分に立ち会わせる。
飼い主に犬を抱えさせたまま、獣医師が麻酔薬などを静脈注射する。犬は飼い主の腕のなかで痙攣しながら亡くなっていく。そんな経験をした飼い主は「二度と飼わない」などと言い残し、帰っていくという。>