「ハーバード白熱教室 in JAPAN」受講応募

日時:8月25日(水) 午後3時?5時(2時間程度)
会場:東京大学本郷キャンパス大講堂(安田講堂
   (東京都文京区本郷7-3-1)
主催:東京大学 大学総合教育研究センター、NHK

ということで、こんなことを書いて応募しました。

Q1.「ハーバード白熱教室」へのご意見・ご感想(全角500字以内)
”カントは難解だ”という評判をよく耳にします。しかし、サンデル教授の語るカントの考えは、とても腑に落ちて理解しやすい。ところが、もう少し突っ込んでわかりたい・・・と、既存の邦訳の断片に触れると、なるほど、さっぱりわからない。原語に逐語訳のように日本語をあて、あてた日本語に”カント用語”として意味を定義している。血肉を伴った言葉とはかなり遠く、自身の実体験に引き寄せ腑に落ちて理解するには、長い道のりが必要そうです。してみると今回、日本語版番組の翻訳は、大変なお仕事だったのではないでしょうか。従来用いられてきた学術語とすり合わせつつ、会話の生き生きとした日本語にする。深く感謝しています。書物の解析にとどまるのではなく、今自分たちが生きている実感と照らし合わせつつ、問答しながら哲学を深める。”ソクラテスの帰還”を体験したように想う。


Q2.応募の動機(全角500字以内)
サンデル教授のあの講義力・・・2000人の学生に考えさせ、感じさせ、語らせ、”対話”の力量を体験的に磨いていく・・・を実体験したい。しかもそれが日本で、東大安田講堂の空間で為されるならば、とても面白いものを生み出しうる。その場に参加したい。アメリカと日本とでは”正義”の捉え方が大きく違うなぁと番組を通じて感じました。日本は高密度で暮らしているからか、老荘思想も根底にあるからか、明確な原理原則を各個人が言葉として持つのではなく、状況や経緯を読みながら”迷惑をかけない”よう生きることが”正義”の代用となる傾向が強いように想います。”うつろいうる正義”を感じるちからを磨いている反面、言葉にして語り合わないがゆえに、集団全体の過ちを補正できず暴走したりもする。「実感をベースに、語り合う」サンデル教授の手法を日本で行うことは、日本の社会にも、教授の正義論にも、新しい果実をもたらしうると感じています。西洋哲学受容から140年、そろそろ学びから融合・展開の時期かも。漢字からかなを生んだように。