デジスタティーンズ

CM作成に挑戦。

終わり悪ければ、すべて悪し

やりすぎてから、戻せ

なにを伝えたいのか・が大切。

絵を描きたいのか?
それとも、世界を変えたいのか。

ハーバード白熱教室 第8回 能力主義に正義は無い? 再放送

ハーバード白熱教室 第9回 アファーマティブアクション

NHK ハーバード白熱教室|講義詳細
学生同士に、対立意見を提示させ、討論させる。
アファーマティブ・アクションに、なぜ賛成か・反対か。

アファーマティブアクション支持の根拠

  1. 是正・・・学問的有望さを正確に判定するには、それまでの環境を考慮する必要がある
  2. 償い・・・過去の過ちや不正義への
  3. 多様性・・・1.教育的経験のため(環境として重要) 2.社会的使命のため(多様な弁護士・公務員・政治的リーダーを送り出すため、テキサス州の人口分布とおなじ比率で)


反対

  1. 償い・・・自分ではどうすることも出来ない要素で選抜されるのは、不公正だ。過去の不公正と関係ないひとが、なぜ不利益をこうむらねばならない。集合的責任や、歴史をさかのぼった責任が、存在するのか否か。
  2. 多様性・・・公共の利益のために、個人の権利が侵害されてもいいのか?


ハーバードは、自由に使命を定め、選抜基準を定める・・・権利がある。
誰一人、ハーバードに入る”権利”を持つものは居ない。選抜基準に沿って入学する”資格”を認められるものが居るだけ。富や財産の配分の論議と似ている。
・・・ほんとにそうか。


権利の侵害・・・自分の力が及ぶ範囲の権利・を考える必要があるのではないか。
なぜ、自分ではどうすることも出来ない要素で選抜されるのか。


私立の機関だからといって、好きに使命を定めていいのか。それにそって、入試の判定をしてもいいのか。
テキサス州ロースクールは、1950年代にも訴訟を受けた。白人ばかり入学を許可していたから。ハーバードも、1930年代にはユダヤ系学生の入学を制限していた。どちらも、”大学の社会的使命に沿って”と主張した。
それと、今とは、本質的な違いがあるか。学生に意見を募る。

  1. 以前は排除、今は抱合
  2. 悪意の有無


分配の正義は、道徳的対価と結びつくか否か。ロールズは、切り離した。
すると、ハーバードの合格通知手紙は、こうなる。
”合格おめでとうございます。あなたはたまたま、社会が今必要としている資質をたまたま持ち合わせていたために、それを利用させていただこうと、合格の資格を提供します。それは、あなたが立派な人だということを意味しません。もしあなたの資質を利用させていただけるなら、入学式でお会いしましょう”・・・これはちと、おかしくはないか。


カントも、ロールズも、リバタリアンも、功利主義者も、
分配の正義を道徳的対価や美徳から切り離したいと考える。
その理由は、平等主義ではない。結びつけることは、自由を妨げる行為だと、なぜか考えているから。
でも、切り離すのは可能なのか。望ましいことなのか。


アリストテレス
正義とは、与えられるべき人に、与えるということだ。
平等であるひとびとには、平等なものが与えられるべきだ。
フルート。だれが、最高のフルートを手にするべきか。・・・一番上手なフルート奏者。すべての正義は、差別を内包する。重要なのは、分配が、フルートを持つに値する美徳に結びついていること。
偶然に任せ、くじ引きで与えるのはふさわしくない。
なぜか、よい演奏がなされることが、フルートの目的だからだ。よい演奏がなされるためには、最高の奏者に渡すべきだ。功利主義者ではないので、それでみんなが喜ぶかどうか・は2の次。
目的(テロス)を見ることから、正義にかなった分配が見出される・というのがアリストテレスの考え方。
目的論的論法。


ハーバードの、一番いいテニスコートを使うのは、だれ。
お金をたくさん払った人?
学校にたくさん貢献した人?
いや、テニス選手・・・と、アリストテレスは言う。
この論法には、直感的強力さがある。


分配のみならず、自然のすべてを、目的から捕らえ、それに沿って生きようとした。
それは、自然科学の発達と共に、むずかしくなった。
くまのプーさん
こんなにブンブン音がするということは、なにか意味があるに違いない。・・・はち・・・はちみつ・・・僕が食べられる様にだ。これは目的論的論法のひとつ。そういう見方をしないようにと、われわれは教育された。


アファーマティブアクションに対して。
テロスから論じることも出来る。


解説・・・
これまで、
帰結主義と義務論を紹介し、批判。
どちらも、契約論から。
その限界。
そして、目的論へ。正義を美徳や倫理と結びつける論理へと展開していく。




感想。

動物に、尊さはないのだろうか。彼らもしばしば利他性を発揮する。
植物に、尊さはないのだろうか。
鉱物に、そして地球に。

アリストテレスの目的論は、ひとのみならず、もの・動植物・機会・組織・地球・・・の尊さを活かす考え方だと、想った。


”所有”って、ものの価値を、なるべく活かし・発揮するために生まれた制度だ・・・という捉え方を、ぼくはしている。
ものも、いきものも、組織も、それぞれの持ち味と価値を、生き生きと発揮していく。
それは、アリストテレスの目的論に近い世界観かもしれない。


ひとつ、陥りやすい落とし穴がたぶんあって。
それは、くまのプーさんの論法のように、”自分の都合のいいように、目的を解釈しがち”なこと。たぶん、持ち味も、目的も、活かし方も、ひとつではない。それを生かすスキルも、ふさわしい持ち手も、ひとつではない。そこを、どう折り合いをつけ、選択して、持ち主を決め、実現する”素敵さ”を決めるのか。
”多様性”が、たぶん重要なポイントになるだろうなぁ。

龍馬伝 お龍という女

イ・サン