ヤマハ アンサンブルフェスティバル2010 昼の部 すみだトリフォニーホール

ヤマハ大人の音楽レッスンの、管楽器・弦楽器教室受講者による、2年に一度のイベント。
希望者が、3回のレッスンの上で、大ホールにて演奏をする。
年々希望者が増えているそうで、抽選になった演目もあったそうな。


プロを目指して幼少のころから演奏してきたわけではなく、
大人になってから、初めて楽器に触れたり、長いブランクのあとに再開した人たち。
音色が艶やかじゃなかったり、音程が怪しかったり、リズムが狂ったり、もする。
しかし、
聴いててとっても楽しかった!
\1000-だったけれど、\3000-くらい払ってもいいくらいに。


ひとつには、100台もの規模での合奏の迫力。
ひとつには、アレンジの巧みさ。フルートだけで、バイオリンだけで、こんなふうにフルオーケストラ曲や声楽を表現できるのか。という驚き。
でも一番大きいのは、出演してる皆さんのフレッシュさ。演奏できることを、こころから喜び・楽しんでいる。サポートしている講師たちも、そう。


なかでもいっちばん気に入ったのは、フルートオーケストラによる”カルメン”。指揮者の講師が、演奏後のインタビューで「途中から”あぁ、終わりたくない・このままずっと続けていたい”って想った」・・・とおっしゃっていた。100人一体となって、各場面を織り上げていく、あの気持ちの盛り上がり方は、観ているこちらもわくわくした。
次は、ポップスオーケストラによる”E.T.のテーマ”。ボストンポップスではなくボストン交響楽団名義でやるであろう、本格的な演奏。ハチャトリアンよりも更に現代音楽的な難曲を、見事に我がものとされていた。大人の音楽教室開始から、わずか十数年でここまで来たか・・・と感慨を抱いておられる講師方。


フルートオーケストラの”韃靼人の踊り”も、勢いあまって走りすぎてしまう愛嬌もあったけれど、場面転換が鮮やかで楽しかった。
グリーンスリーブスの、木管フルートとバイオリンの掛け合い、100人で奏でるタイスの瞑想曲・・・



こんなふうに、アマチュアで演奏を楽しむひとたちが増えていったなら。
東京のみならず、日本全国あちらこちらで、こんな演奏会が開かれたなら。
楽しいだろうなぁ・・・。
そんな時代は、すぐそこに来ているのかもしれない。
ホールは津々浦々にある。
指導者も増えている。
楽器も、収入に比較すれば、ぐっと安価になった。


弾く人が増えれば、聴く人も増えるし、頂点も高くなる。
日本もようやく、そんなゆとりを、そんな人生の楽しみ方を、持てる社会になりつつあるのかもしれない。