奇跡の映像 よみがえる100年前の世界 第2回

1908年の世界一周旅行。大西洋の豪華客船、三等デッキには東欧・ロシアからのユダヤ人移民がびっしり。NY。大陸横断鉄道、震災2年後のサンフランシスコ。日本で旧友大隈重信たちと交流、溥儀が即位したばかりの中国へ。シンガポールスエズ運河を経てイタリアへ。まだ、大都会も自動車はなく、路面電車・馬車・人力車が行き交う。
三週間後、こんどは南米に2ヶ月旅行。すでになかなか都会的なブエノスアイレス、緑豊かで美しい一戸建てが立ち並ぶリオデジャネイロ


そして、雇ったカメラマン、パセを、シベリア鉄道で再び中国へ。数年前、単線だった北京城壁沿いの線路は複線化・・・と思いきや、城門出口のほんの数メートルだけ、レンガ壁で線路が切れてる。革命で中華民国となったため、辮髪がなくなるなど大いに風俗変化。纏足で優雅に歩く女性の貴重な動画。
パセはフランスにもどり、再び、入国しづらかったモンゴルへ。伸びやかに動く女性・うろうろするロシア兵。拘束具による刑罰、支配者層だった僧たち・・・20年後には革命で、大半が命を落としたはず。いまは失われた風俗の数々。
戻って、今度はインド。ヒンドゥーナショナリズムが台頭し始めていた時期。ベナレス・カイバル峠・巨大なキャラバン(らくだ500頭・ロバ500頭)。イギリス軍に阻まれアフガニスタンには入れず。入り乱れて遊ぶ子どもたち・・・ほんの数十年後、パキスタンとなり、イスラム教徒だけの国となってしまう。



言葉で書き表わしきれないほど、映像のインパクトは凄い。
いまと相通づる感じもあり、消えてしまったものもあり。数年で激変したものもあり。
ひとが生きている。生活を営んでいる。その強さと、確かさと、明るさと、儚さと・・・。