エルトリート西葛西店→映画”THIS IS IT”

This Is It・・・とっても観たいのだけれど、どうしても気が進みません。そもそも、どんな顔して観にいきゃいいんだ・みたいな。
でも、観ておかなきゃなぁ。
ありがとう、覚悟が出来ました。


(中略)


失ってしまったものを、認めたくないんだよ・たぶん。

でも・・・観なきゃね。
失ったことを認めてこそ、はじめて、新しい希望の芽が生まれるんだろうから。

通夜・・・いや、四十九日になるんだろうなぁ・・・。

シネマイクスピアリでは、ムーンウォーカーも11/7から特別上映してくれるんですね。

ということで、意を決して観てきました、THIS IS IT


快晴!
最高気温27℃・11年ぶりの11月の夏日とのこと。


12:35-14:25 エルトリート西葛西店
14:41 舞浜着
14:50 シネマイクスピアリ チケットブースへ。14:50の回は完全に満席。15:50の回も、中央付近なら2列目以前・端でも5列目しか空いていないそうな。映画の日で1000円とはいえ、凄い。14:55購入。
新星堂
天賞堂HBf

15:50-17:55 THIS IS IT 13番シアター2列目ほぼ中央で鑑賞。完全に満席。


冒頭のダンサー陣のオーディションと、インタビューが圧巻。どれだけマイケルが彼らの人生に影響を与えたか、彼と同じステージに立つことをどれだけ喜んでいるか、ありありと伝わってきて・・・涙流しながら、頬がびりびりしびれた。


こんなふうにコンサートを創り上げていたのか・・・。あれだけ大規模なコンサートだが、マイケルがすべてを把握し、最終的に決断を下す。
リハーサルでこれなら、数万人の観客を前にしたら、どんなに凄まじいライブになっていたことだろう。
記者会見で”みんなの聴きたい曲をやる”と言ってくれていた、その路線を突き詰めたような感じ。各曲リリース時の音・振り付け・演出のイメージをそのまま受け継いで、ライブでやる・・・という方向性。盛り上がること必至。


リハーサルだけに、マイケル自身は抑えてさらっと流しつつ、全体を点検する。指示を出すときの言葉の豊富さ、気の使い方、優しさ、素晴らしいものに触れたときの喜びよう・・・ほんと、素敵なひとだなぁ。そして時に、ついついノッてしまって、100%のパワーを思わず発揮してしまう。それはもう圧倒的。
ダンサー陣は、とても良く仕上がってる。
一方で、バンドのグルーブはいまいち。公演開始間際になっても、こんな程度の仕上がりなもんなんだろうか?
オリジナルに沿ったアレンジだけに、ノリの悪さが瞬時にわかってしまう・・・特にギターとベースとバスドラム。俺ならぶっちゃけ、ビート・イットとか「こんなんで踊れるか!」とちゃぶ台拾ってきて投げつけるだろう(^^;。映画館出てすぐ、新星堂のBGMでかかってたオリジナルの気持ちよさと、天と地ほども違う。まぁ、まだ音あわせだし、ヴァン・ヘイレンやスラッシュと同じことをしなきゃいかんわけだし・・・観客を前にして、場数を踏めば、ぐっと良くなるんだろう。


ダンサー陣は、たぶん、子供の頃から、何百回もオリジナルのPVを観、コピーし、踊り倒していたことだろう。オーディションで、ステージを埋め尽くす候補者が、皆完璧に課題曲を踊りこなす。リハーサルしたかのようにびっちりと揃って。いったい誰を落とすんだ?!?というほど。それはもう、圧巻だった。何チームもそれが続く。
ボーカリストも、たぶんそう。
でも、バンドメンバーは、もしかしたらマイケルの曲を、弾いて弾いて弾き倒したことが無いんじゃなかろうか・・・はずしてたら申し訳ない。インタビューを聞いていても、今、マイケルと接して日々感じてる、その実力の凄さへの敬意は強く抱いていたけれど、オリジナル曲への思い入れは、ダンサーやボーカリストほど深くないように感じられた。・・・っつうか、ファンク知らないんじゃん?!?マイケルが、かなり細かく基本的なノリを指導してる場面があった。JBのセックス・マシーンでも練習させたら、ぐっと良くなりそうな・・・。
僕たち世代のロックミュージシャンは、たぶん、ブラックミュージックも聴き込んでたろうと想う。でも今、若いミュージシャンって、ファンク的な要素には触れずじまいなのかもしれないなぁ。そういえば、ブラック系のダンス曲って、サンプリングで創ってしまうしなぁ・・・。


満員のお客さんが、終始じぃっと真剣に見入る。エンドロールが終わり、明るくなるまで、じぃっと。そして静かな拍手。
妻は、しんみりした顔。「マイケル、孤独だったんだろうなぁ・・・」なるほどそうだ。彼はコンサートのすべてを背負っていて、その代わりができるひとは、誰も居ない。
いろんな話をした。もし、ブルック・シールズと結婚していたなら。二人とももっとハッピーだったんじゃないか。ほんとに立場を理解しあえて、何でも言い合えるようなパートナーになれてたんじゃないか。それともやはり、音楽製作に関する重みについては、マイケルがひとりで背負わざるを得なかっただろうか・・・。
もしチケット代を3倍にして、ヴァン・ヘイレンやスラッシュに出演してもらっていたなら・・・もしかしたらリハーサルで衝突して、喧嘩もしたかもしれない。でもそれはそれで、麻酔薬なしでは眠れないようなことは、なかったんじゃなかろうか。
対等に喧嘩できるようなひとが居なかった。これは辛いかもなぁ・・・。


まだまだ生きて欲しかった。
コンサートを完成させたかったろうし、たくさんのファンと素晴らしい空間を生み出したかったろう。
死後そうなったように、マイケルの楽曲と踊りとメッセージが、広く世界に再び拡がっていっただろう・彼が死ななくても。
4年後、地球環境が快復に向かい始めるのを、彼もその目で観たかったろう。その実現にマイケルが果たせる役割は、まだまだ大きくあったろう。


あまりにも惜しいひとを、亡くしてしまった。
亡くさずに済む世の中って、在り得なかったのだろうか?
もし彼がキューバに生まれていたなら。日本に生まれていたなら。もっと幸せだったかもしれない。でも、ああいうメッセージを世に送り出してはいなかっただろうなぁ・・・。ここまでたくさんの人々に届けてはいなかっただろうなぁ・・・。
世界一の国で、世界一のひととして暮らす。凄いエネルギーが要るんだろうなぁ。そうか、ジョン・レノンも、もし日本で主夫をしたままだったなら、暗殺されることは無かったんだよなぁ。
してみると、日本に住む僕たちには、やはり、果たすべきユニークな役割が在るんだと想う・世界に対して。もちろん、キューバも、メキシコも、オーストラリアも、ドイツも、ロシアも、アメリカも、それぞれに。


そして。
思いはいろいろ彷徨うけれど、歴史に”もし”は無い。
This is It.
マイケルが居ない、この現実こそが、唯一の答え。


彼が亡くなったとき感じたように、
映画のエンドロールで流れた、この歌が、彼の遺言なのかも。

死にゆくひとたちも居るんだ。
もし、あなたが生命に充分意を注げているなら、
(この世界を)よりよき場所に築いて欲しい。
あなたとわたしのために。


タリーズでお茶
19:40 P清算
19:47 舞浜発