安心する? それとも 安全を築く?

僕たち日本人って、安心したくってしたくって、しょうがないのかも。
だって、安心するためなら、安全を損なうことすら厭わないんだもの。

 米国CDCの専門家は、このウイルスが冬季まで流行を終息することはないのではないかとコメントを発し、今でもこれだけ感染力があるのだから、冬期間は爆発的に広がると懸念しているようだ。
 しかし、米国の推定では国民の7%程度が感染したのではないかと計算しているようだ。
 冬期間までにある程度の人数か感染すると、その後の流行は下火になると、僕は推定しているが、一般的にはそのような見方はないようだ…。
 
 日本ではどうなっているのだろうか?
 疫学的調査、予測、そして公衆衛生学的対策は、各地でなされているのだろうか?
 少なくとも報道機関からの発表はない。
 もっとも記者さん達に聞いても、国も地方も何も発表はしていないという。
 米国、カナダ、オーストラリア、英国では、各地域の保健局も情報を社会に伝えている。それは単に対策をどうする、こうすると言った事だけではなく、このインフルエンザの世界的状況を背景にした地域での状況と、その対策に関してである。

日本国内でのインフルエンザA(H1N1)情報が、あまりにも質量とも落ちている。

神戸市での一般医療機関による診療が比較的スムースにいったことに味をしめたのか? 6月19日の国の運用指針が出されて以来、全国的にPCR等サーベイランスは縮小傾向、また具体的な感染拡大防護策やPPEや迅速検査キットの供給、財政的な支援等も示さず、また、さらに強毒性のインフル発生時のガイドラインも示さぬまま診療を一般医療機関に丸投げと、またまた国の無責任なスタンスが露呈してきました。
そもそも全国的にみても病原体定点は500、しかも小児科が多く今回もほとんど早期探知については全く機能してきませんでした。しかもこれまでは形式的には全数調査を唱ってきながら現実的にはPCR検査を依頼しても各地で保健所に難色を示され大いに混乱があったことは明らかです。にもかかわらずクラスタサーベイランスにシフトするなど、この国は公衆衛生学的にも極めて後進国と言わざるをえません。

この記事の後半で述べられている、神戸医師会の決意に、目頭が熱くなった。”阪神大震災”という修羅場をくぐったひとたちだからこそ、”安全を創る”意識が高いのかもなぁ・・・。
今年後半、新型インフルエンザウイルスの感染力や病原性が増したとしても、神戸はそれをいち早く察知し、市民を守ることが出来るだろう。
果たして、ほかの都市はどうだろう。


不安や不調にふたをするな。目をそらすな。無視するな。切り離すな。大切なシグナルなんだから。
しっかり見つめてしまえば、おのずと、なにを為すべきかはわかる。


今日1本目の記事で紹介したスピーチ、「地球が不調だ、先行きが不安だ!」って、全力で伝えてる。
だからこそ、世界が動いた。"持続可能な社会”を真剣に目指す方向へと。