被害者でありたがるのを、やめよう。

ウイルスそのものの危害リスクよりも、風評被害リスクのほうが格段に大きい・・・そんな、あまりにもばかばかしい状況は、
さすがに終わったのかと思いきや、まだまだ続いているようだ・・・。


胸つぶれる思いで読んだ。
語学研修中止の次に出来ること - ブログ版ききみみずきん - Yahoo!ブログ


どうして”合理的判断”ができないんだろう・・・。

 ◇「普段の診療」が最重要
 米ニューヨークで開かれた「模擬国連」に参加した女子生徒2人が新型インフルエンザに感染した洗足学園高校(川崎市)。休校を発表した5月21日の記者会見で前田隆芳校長は突然、涙を流した。感染した生徒の言葉を職員に耳打ちされたからだ。「周りの人や先生方に申し訳なかったと伝えてほしい」

 帰国する機内で発熱した2人は、空港から家までマスクを着け、医療機関を受診するまで外出しなかった。模範的な対応だったが、川崎市健康福祉局の坂元昇医務監は「いわれなき非難が集中するのでは」と懸念し、国の通知に反して疑い例段階では公表せず、感染確定まで伏せた。

 結果的に悪い予想は当たった。学校には「同じ沿線なのにどうしてくれる」「ウイルスを持ち込んだ責任を取れ」との電話やメールが相次いだ。「感染症は誰でもかかる可能性があるのに、被害者と加害者という論理が持ち込まれた」と坂元医務監。多数の生徒が感染した関西大倉高校(大阪府茨木市)でも、生徒の家族がクリーニング店の利用を断られたりするケースがあった。

 今、洗足学園の最寄り駅にマスク姿の人はほとんどいない。下校途中の2年生は「今振り返れば、大騒ぎする話じゃなかったと思う」とつぶやいた。

長男の学校にも、模擬国連に生徒が参加していたというだけで、校長宛に電話が殺到したそうな。
発病もしていないし、念には念を入れて自宅待機しているから感染拡大の恐れも無いのに、「あやまれ」などというやからも居たそうな。いわく「世間を騒がせたんだから、あやまれ」・・・お前が勝手に不安がって、騒いでるだけだろうに。
電話をかけた人自身が、すでに3月、新型インフルエンザに罹患していた可能性だって、あるだろうに。過去、もっと重症な風邪やインフルエンザを他人にうつしてきただろうに。その結果、誰かを死に至らしめたことすら、あるかもしれないというのに。


なぜ、私たち日本人は、”被害者”でありたがるのだろう。
”悪いやつは、ほかに居る”
”私のこの不安は、誰かが犯人だ”
なるほど責任は取らなくてすむ。常に正しく居られる。
でも、望む現実を創りだす立場に、自分を立たせることは無い。誰かがやってくれるのを待つだけ。文句をつけるだけ。

 厚生労働省新型インフルエンザ専門家会議委員で、危機管理コンサルタントの田崎陽典さんは、感染者への中傷を「正直、予想を超えていた」と認める。原因として挙げるのは、国が情報公開の範囲を明確にしていなかったこと、水際対策の目的がウイルスの上陸阻止のように伝わってしまったこと、一部医療機関が見せた診療拒否などの反応だ。

 国内未発生や発生初期の段階で、医療機関が過度に警戒した理由を、多くの専門家は「『新型』の名称に引きずられた」とみる。08年5月に改正された感染症法は新型インフルエンザについて、危険性が最も低い「5類」にした季節性インフルエンザと区別し、エボラ出血熱など「1類」に準じて患者の入院など強制措置を認めた。

 東北大の渡辺彰教授(呼吸器内科学)は「病気を分類し、危険なものは隔離するという発想が古い。新型インフルエンザの特別視につながり、患者差別も生む。今回のインフルエンザは、いずれ全員がかかることになる病気だ」と指摘する。

 秋以降に懸念される流行「第2波」では、重症者が数万〜数十万人に上る恐れがある。だが、厚労省の医療施設調査(07年)によると、ウイルス防御設備のある感染症病床は1809床しかなく、一般病床約91万床も77%が常に埋まっている。

 渡辺教授は言う。

 「行政は、発熱外来や水際対策といった人目を引く対策をやりたがる。だが、感染症対策で最も大事なのは、地味でも、普段の診療体制を強化することだ」

そして、私たち自身が、体力を温存し、咳エチケットと手洗いをしっかり励行すること。
いずれ罹患するのだから、自分を重症化させないことと、周囲が一気にやられないように感染速度をゆるめることとに、意を注げばいい。


自分のそとに”悪因”を見出したがるのを、やめよう。
自分を変えれば、すべては変わる。