欧米の国ではなぜ人々は深刻でないのに、日本では行政とマスコミが深刻に捉えているのだろうか。
 ”生死を分ける事態だって起きますよね?”、っと弾んだ質問が受話器から聞こえた。某週刊誌の女性記者だ。 
 ”うん、あるね。あなたが今日家に帰るまで交通事故で死ぬ確率より少し低い確率だけど”、と僕は答えたが、相手はやや不満げな返事を返していた。

 先週メキシコで調査を行ったアメリカの感染症専門家によれば、豚インフルエンザにかかった多くの人たちが、重症化した人でさえあまり発熱しなかった。新型ウイルスのもつこの奇妙な性質は、病気の流行を防ぐことをより難しくする可能性がある。