非正規雇用問題

僕が”人的リソースの有効活用”へむけての、業務改善運動の事務局になって以来。
・・・どうやら、さる協力会社さんは、僕を”仕事を奪う人”、さる管理職を”仕事をくれる人”だと勘違いしてたらしい。
挨拶もろくにしてくれなくなったり、妙にこそこそしたりと、変だなぁとは感じていたが、
このBlogの内容をチェックしては、僕の上司に”こんな問題行動をしている”と、誤解に基づくご注進をしたりしてたそうな。なるほどねぇ・・・。


実際は。
削減計画は、その管理職さんが決めたこと。
協力会社さんが、不安定な契約関係におかれているのも、責任は管理職さんにある。


僕は事務局に任命されてすぐ、非正規雇用に関して、どんな姿が理想なのか、懸命に模索した。
他者の事例や歴史的経緯を調べたり、各職場のニーズと現況を調べたり、本社の方々やコンサルタントとディスカッションしたり。
初年度のとりまとめをする頃には、僕の中でははっきりと答えが出た。

正規従業員は、基本的に、非正規従業員から採用すべし。


”固定費の変動費化”なんてのが、当時もてはやされてた。
正社員を減らし、非正規雇用を増やし。
でも・・・事業所が払う人件費は、(経理上の費目は変わるけれど)実質、減らない。むしろ増えて居たりした。
なぜか。

  • 人数が増えてしまう・・・正社員3人で出来る仕事が、正社員2人&非正規雇用2人必要になるケースが多い。
  • 間接費がかかる・・・働く人の手取りは少ないけれど、派遣会社や協力会社に払うお金は、なかなか高額。

なのに、なぜ。
それは、需要の多寡にあわせて、人員を増減しやすいからだ・・・というのだけれど。
そんな、人を消耗品のように扱う会社に、誰が喜んで来るよ? 才能ややる気がある人ほど、去っていく。
社会全体が、そんな方向に進んだら、どうなるよ?安定が失われ、購買力も落ちる。
”うまく行くわけが無い”じゃん!


労働組合支部の書記長でもあったので、ありとあらゆる機会を使って、いろんな立場の人たちに働きかけた。
問題意識は、皆さん、僕と同じだった。
実現したこと、できなかったこと、いろいろあるけれど、
我が事業所が、あまり変な方向に進まなかったのは、皆さんのおかげだと想う。


”うまく行くわけが無い道”は、たとえみんながその方向に歩んでいようと、必ず破綻する。
実際、あれから6年、僕が予想したように社会情勢も、政府の指導も、推移している。
新聞によると、来年の4月、製造業の派遣解禁から3年、正社員への登用を考えねばならない時を迎え、”派遣切り”の動きが、全国そこここであるそうな。やれやれ・・・