かけがえのない夕日

うす曇の一日。
今日の夕日は、厚い雲の下から、すぅっと顔を出し、光を放った。厚い雲は紫に、その下、地平線と川面とをオレンジ色に染めながら、
薄い雲の向こう、ゆらゆらと面白い形ににじみながら、ゆっくりと沈んでいった。
金曜日のように、地平はグレーになるのかなぁ・・・と想ったら、オレンジ。雲が白く輝いたり、紫に輝いたり。
毎日違う。
郷里の三原市の、沼田川沿いは夕焼けの名所で。子供の頃なじんだ夕焼けと、東京の夕焼けとは、これまたまるっきり違ってるように感じる。東京はカクテルかゼリーのようなグラデーション。沼田川沿いに観る夕焼けは、西空の雲全体がオレンジの濃淡に染まったような・・・
神様って、粋だよなぁ・・・。


これから人生で、いったい何回、日没を眺められるのだろう。数十回?・・・それとも、数百回?
多くても、そんなもんだよなぁ。
そしてたぶん、一日一日、みな違うんだろうなぁ。今日のこの夕日は、今日、このたびしか観ることが出来ないよねぇ。


もし僕が、会社を創るなら。
オフィスは、日没が眺められるようにしたいなぁ。
毎日一度、大自然がおりなすショーを眺める。そのあいだは是非、30分ぐらい仕事の手をみんなとめて。


きっと、ほんとに大切なものがなんなのか、いまなにを為すべきなのか、しっかり判った会社になると想う。