北京オリンピック開会式

NHKの録画放送を、開始20分後くらいから観る。
オリンピックの開会式を観るのは、ロスアンゼルス以来だろうか・・・。
あのときのロケットマンにも驚いたけど、演出技術は進歩し、ぐっと派手に、大掛かりに。


「コミュニケーション」というテーマを感じた。


幻想的だったり、人のパワーを感じさせたり、文化や歴史を感じさせたり。見事なショー。
ところが・・・観客が、案外さめた表情だったり。


そして僕自身、意外なことに観終わってしまうと、案外印象が薄い。選手たちの生き生きした表情のほうが、心に残っていく。
各国選手団入場。
満面の笑顔、ここにあり・・・という選手がなんと多いこと!
プラカードの持ち手の、ぴっと伸びた背筋。
お国柄もいろいろ、表情の表れ方もいろいろ。ストレートに内面が現れるひとも、霧にかかったようなひとも、居る。でもかつてに比べるど、全体に自由の度合いが深まったんじゃなかろうか。日本もかなり。でも、まだまだ他国と比べると、霧にかかってる部類かなぁ。それが文化の個性なんだろう。


スペイン選手団の生き生きした表情。
そしてクローズアップされたサマランチ会長。対照的に、人形のように表情の隠れた顔・・・


イラク。大歓声。女性選手、笑顔の中で涙ぐんでて、こちらもじんとする。


入場行進のBGMは、5大陸を代表するジャンルから、それぞれ楽団を招いて、交代で次々と。素晴らしい演奏。
誘導線上にずらりと並んで、決まった踊りを繰り返す女性たち、選手の個性に満ちた面構えとあまりに対照的で、がっかりしてしまったが、長く踊り続けるうち、だんだん個性が現れてくる。選手たちが内陣に合流してからは、更に。


ロシアが案外表情豊か。疲れた表情で座ってたプーチン首相、立ち上がって片手を挙げて。スクリーンで紹介されたか大歓声、で、両手を挙げる。
で、アメリカ合衆国が意外とおとなしかったり。
ヨーロッパ、アフリカ、中南米ポリネシアが生き生きしてるかなぁ。元首婦人だと想うんだけれど、無邪気に力いっぱい踊りながら旗を振ったりしてて、素敵。


そして、聖火点火。
なるほど、まいった。
宙を飛び、空中に広げられてゆく絵巻物の上を走る、聖火ランナー
満月のようなスポットライトは、ワンマンズ・ドリームのピーターパンの飛翔のよう。そして、壁面の絵巻物に展開される世界の人々は、ミート・ザ・ワールドのラストシーンのよう。
そして、巻物をかたどった聖火台に、点火される。
とうとうと続く文化の流れの中、新しい歴史が・コミュニケーションが・交流が、ここに繰り広げられる・・・。


入場する国々、なかには内戦で平均寿命が世界一若くなってしまった国もある。温暖化で国が消滅の危機を迎えている国も、戦火の下にある国も。
開会式のこの日、グルジアとロシアは戦火を開いてしまったらしい。


世界はひとつ。
究極の夢も、たぶんひとつ。