昨年、ライブエンタテイメントに関して、2つ大きな体験があった。


ひとつは、たたずまい。
たとえば・・・昨年のフェストオペラ。男性ダンサー二人、ひとりはバレエ、ひとりは舞踏、どちらも、なにもしなくても、ただ立っているだけで、実にたくさんのことがじんじんと伝わってくる。
たぶん、ひとはみな、なんにもしなくても、ただそこに居るだけで、なにかを世界に伝えているのだろう。一流のひとというのは、どのジャンルであれ、そのことに自覚的なのかも。
自分そのものとして、在る。そんな人が動くとき、とてつもなく大きななにかが生まれたりする。
香港の生命力、5周年フィナーレの熱さ、義母の奇跡、ボンファイヤー、フェストオペラ。そして、秋口あたりから、舞浜中が、どんどん凄くなっていって。


もうひとつは、エンタテイメントは世界につながっている。
香港で、フェスティバル・オブ・ライオンキングを観て。帰路の期中でドリームガールズに感動し、れあサイトの掲示板で、ジェニファーハドソンのサークルオブライフのYouTubeを観て。
あ、wdwさんが書いてことは、きっと本当だ。ジェニファーハドソンが、香港のあのシアターに立ってても、なんら不思議じゃないんだ、と体感した。
舞浜も、外国人アーティストに関しては、ラスベガスやハリウッドやブロードウェイと、ひとつながり・・・なのだろう。
常磐ハワイアンセンターのファイヤーナイフの名人のところに、かつてシルクドソレイユのスカウトが来たそうな。
劇団四季のWickedは素晴らしかった。観客ほぼ総立ちで、8回ほどカーテンコールが続いたほどに。と同時に、USJのWickedの出演者も、まったく同じ土俵で語れる力量だ。短時間公演とは言え、四季が8回・20分間なら、USJTDRで、5分くらいは万雷の拍手が続いて当然。そんなレベルの熱演は、しょっちゅうある。


アメリカのように、人材がダイナミックに流動しながら、新しい面白さを創り、多様に育っていく、そうなる日は、かなり近づいてるんじゃなかろうか。

そのためには、OLC以外にも、オープンに人材を集める運営体がたくさんある必要が。海外かも。シルク・ド・ソレイユかも。劇団四季など既存の日本の組織かも。ミニ男のようなTDR内チームのスピンオフかも。それとも・・・OLC自身が、たとえばNKベイホールをミュージカル専用シアターにして、ディズニーミュージカルの単独公演を打つような日が、来るのかも。
松下電器産業などの、社内ベンチャー支援制度みたいに、TDR内の人たちが、新しい化学反応を起こそうとするときに、支援する仕掛けがあったなら、そのスピードは速くなるかも。
映画の発明が、エンタテイメントのトップレベルを押し上げ、田舎町にまでファンを増やしたように、全国のディズニーストアを、ライブエンタテイメントファンを育てる拠点にする手もあるかもしれない。たとえば20周年にディズニーギャラリーで流したように、過去のショーのdvdコンサートをやるとか。そしてたまに、ゴールドタウンフォーリーズなどを、チームを創って生公演したなら。


それよりもなによりも、やっぱり我々客次第なんだろうなぁ。
ひとりひとり、自分自身のたたずまいに、自覚的か。
既成観念にとらわれず、今この瞬間に為すべき表現を返しているか。
ミニ男のあの400人の観客で、シアターオーリンズを観たなら。どんなに楽しいことだろう。素晴らしいことだろう。
・・・それは、容易に可能なはず。