フラガール公開日

常磐ハワイアンセンターの創立期を描いた作品。予告編観て、もう、期待満々。

 本格的なフラダンスショーを目玉にした常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)の開業前から、フラダンス指導のため、福島県いわき市に通い始めた。男くさい「炭鉱の街」に飛び込むと「若い女が偉そうに」とば声を浴びた。厳しいレッスンに、ダンス経験などない15、16歳の少女たちは、手足が思うように動かず「つらい」と音を上げた。

 帰りの列車の中で「もう二度と行かない」と悔し涙を流した。しかし上野駅ホームで当時の副社長から「来週もお願いします」と深々と頭を下げられ、「炭鉱の街から南国の楽園」への脱皮を図ろうとする熱意に打たれた。幼さの残る少女たちには「先生と生徒ではなく、母親になろう」と寝食を共にし、あいさつや礼儀作法まで教えた。「彼女たちも必死になってそれに応えてくれた」。フラダンスの街に足を運んで40年が過ぎた。

 それでも、あなた自身、込めた思いはありますよね、と食い下がると、
 「そりゃあ、ねえ。でもそれも、見て感じてもらえればいいやというか……。いずれは、期待して見たら案の定、良かった、というのを目指したいですが、今は、期待しないで見たら結構良かった、という観客からの感想が、僕自身すごく落ち着くんです。ですから、敢えていうなら、期待しないで見てくださいというのがメッセージでしょうか」