パラダイム・シフト

空白さんに、今回、トレーナーとして接してるわけじゃない。
ただただ馬鹿正直な人間として、あなたに向かい合っているだけ。
でもまぁ、それがトレーナーの教え方ではあります。


ひとはみな、自分自身を通して世界を理解する。
全員、歪んだめがねをかけて、世界を眺めてる・・・とも言える。
めがねが違うから、おなじ世界が、まるっきり違って見えてる。


心理学でよく使われる、有名な絵があって。
女性が描いてあるんだけれど・・・ある人には若い女性に、ある人には老婆に観える。
最初っから、ふたつの観方が同時にできるって人は、数百人にひとり。
圧倒的大多数の人は、どちらかにしか見えない。
ワークショップで「この女性、何歳くらいに観えます?」ってやると・・・喧嘩に近い状態になったりする。「どう見ても、若い女性じゃないか!」「馬鹿言うな、80歳くらいだろ!」


怒りってね、あるべき姿との乖離から生まれます。
だから、腹が立った時は、自分のめがねを知るチャンス。
自分に、こんなふうに問うてみると、めがねが、そしてどう歪んでるかが、観えてきます。

  1. 俺は、いま、なにをあるべき姿だと観ているんだろう
  2. その観方は、妥当なんだろうか。ほかの観方は、ないんだろうか
  3. 俺は、なにを望んでいるんだろう。それは、本当に大切なものなんだろうか


なかでもね、根底から自分自身を縛っているめがねの歪みに気づいた時。
・・・パラダイム・シフトが起きるなんて言い方をしますが
老婆が、若い女性に変身するなんて生易しいものじゃなくて。
キャプテンEO(ご覧になったことありますか?)で、廃墟のような街が、うるおい溢れた田園に一変してしまう、まさにあんな感じの衝撃を体験します。
世界そのものが、まるっきり違って見えるようになる。


カウンセラーは、クライアントが社会生活の中で体験したあれやこれやの意味を、一緒に読み解いていきます(これまた、基本的にアドバイスはしない)。そうやって、めがねの歪みを発見していく。社会生活で「嫌な思い」や「怒り」や「喜び」を体験しているから、それを材料に使うんです。もし、世の中の人すべてがカウンセラーだったら。めがねの歪みを知る材料がなくなっちゃう。たぶん。
トレーナーは、まず、歪みの観方を教えます。そして、自分自身が受講生の鏡になる。いろんな角度から、ただ映して見せる。「げっ!私ってこんなに醜く太ってるのか!!!やな鏡だ」・・・それだけで、人は変わり始めます。鏡のことは大っ嫌いだとしても。鏡の語る言葉を嫌々ながら耳にしていたとしても。


でね、この鏡の手法、BBSでの荒らしさんに対しては、なかなか有効。
相手の動機がピンポイントでわからなくても、相手が嘘をついていても、相手の行動が変わります。


だから、空白さんのアドバイスを、僕は採用しないんです。
僕に良かれと想ってアドバイスしてくれてるってことは、よ〜くわかるんですけどね。


空白さん。
相手の気に入る姿しか映さない鏡になってませんか?
自分の気に入る姿だけを映してくれる鏡で、身の回りを固めてませんか?
この鏡は信用できるけど、この鏡は信用できない・・・なぁんて言ってませんか?
すると、自分と世界との乖離が、どんどん深くなります。
気に入らない鏡は、叩き割って回ってたりして(^^;・・・うそうそ。


そして、嫌われることを、恐れてはいませんか。


僕のこの問いかけが、まと外れだったら、さらっと流してください。
気になるんだとしたら、「鏡に映った、気に入らない自分」なのかもしれませんよ。


僕のほうはね、
「正当化」「自己PR」「嫌な思いをさせる」「思いやりが無い」「自分・自分・自分・・・」「議論下手」「むっつりスケベ」・・・うん、そう観えるでしょうね。でも、どれも僕にとって、気になるレッテルじゃないな。「ペドフィリア」だけは、言いふらされるとちょっと困るって想ったなぁ。