実世界と夢の国

私自身にとっても、「サッチモとブルース」と「オハイオ・ユニオン」は、血と肉の一部だといえるほどのものです。
それを生み出してくれた、ニューオリンズの街。社会人であるうちは、どうやら訪ねる機会がなさそうです。
でも、その街並みを再現した、TDLニューオリンズスクエアには、足繁く通える。あそこに佇み、流れるBGMを聴くだけで、なんとも幸せな気持ちになります。そういえば、私は父とTDLで行動を共にすることはついに無かったのですが、きっと母と、ここを楽しく歩いたんだろうなぁ・・・なんてふと想ったり。
この楽しさは、いつもいつも、変わることがない・・・と想ってました。


ニューオリンズが、ゴーストタウンになってしまった。


父が歩き、サッチモが育ち、ジョージ・ルイス バンドのミュージシャン達が、荷役に汗し、再び脚光を浴び、世界へと羽ばたいた、その街が。
そんなこととは関係なく、にぎわうTDLニューオリンズスクエアの美しい街並み。流れる楽しいBGM。ここが美しければ美しいほど、心の底に、どうしても流れてしまう悲しみ・・・・・。


アメリカそのものは、富める国です。生命を保証する為の活動は、自国で行える。初期の混乱はあるにせよ。
しかしながら、復興への支援・特に文化面には、手が差し伸べられがたいのではないだろうか。平時でさえ、高校での音楽教育へ十分な公的資金を投じてもらえないのに。しかも、住民はちりぢりばらばら、現地の支援受け入れ先を見つけることすら容易ではない。
そんな中、外山さんが核になって、ジャズミュージシャンの皆さんが、ニューオリンズへの募金活動を始めたことを、新聞とwebで知りました。10年来、音楽教育への支援活動を続けてこられた方々です。きっと的確な支援先を見つけ、義捐金を最善に活かして下さるはず。
第1回のイトーヨーカ堂でのチャリティーコンサート。用事を済ませ、演奏が終わっていること承知で「募金箱でも置いてあれば」と駆けつけましたが、残念ながらなんにもなし。
そして数日後だったでしょうか。TDLで演奏を終えられた外山さんご夫妻と、ばったり出会い。


私のこころは、大いに救われました。
父と私の想い出が詰まったニューオリンズTDL。もう、ゴーストタウンになってしまっているニューオリンズと、美しくにぎわうTDLニューオリンズ・スクエアは無関係じゃない。
その両方で活躍され、もう10年来、善意の架け橋になってくださっている素敵な方たちが、今また復興に尽力されているじゃないか!
かつて以上に、TDLが、そしてニューオリンズ・スクエアが、暖かく、輝きを増して感じられるようになりました。
OLCさんに、心臓発作への対応や、スプラッシュマウンテンの晴れ着対応の「どうすれば可能になるか」精神が、しっかりと受け継がれていることを、とても嬉しく・頼もしく想います。


外山さんご夫妻と、支援してくださった方々、このBlogにご意見を寄せてくださったみなさん、そしてあの素敵な場所を提供してくださっているOLCさんに、深く深く感謝申し上げます。


ニューオリンズは、まだまだ大変な状況なんだそうですね。
戻れている住民はごくわずか。学校も、生徒がみな散り散りになって、再開の目処が立たないんだそうです。
まずは来年のマルディグラが、どうか開催できますように。
そしてディズニーのテーマパークが、これからもずっと、現実社会をより素敵に変える力を、生み出す場所であり続けますように。