まんげつのよるに 木村裕一・作 あべ弘士・絵

ISBN:4062528789
あらしのよるに」シリーズの第7巻・最終話。
11月1日に出たばかり。図書館でも大人気で、我が家の後、20人待っているという。


新聞でのインタビューだったか、著者が「6巻で完結のつもりだったけれど、友情にまつわるあれこれのうち、まだ"こころは変わる"ということを描いていなかったなぁって気づいて、書くことにした」みたいなことをおっしゃっていた。
え!どんなお話になるんだろう・・・期待半分、いや、不安のほうが大きかったかも。


読んでよかった。


6巻、読み終えても記事にしませんでした。
うーん、これで終わりなんて、なんだかあざとくないかい?
なんだか、さびしいような、なにかもの足りないような。
そもそも、この読了感、なにを言葉にすればいいのか・・・・・。
・・・今にして想えば、ブラヴィッシーモ!で描かれているのとおなじ”存在は消えても残る、なにか”が6巻のテーマだったんですねぇ。当時はまだ、それを言葉にできるほど明確な実感を伴っては、受け止められなかったんだなぁ。拒絶感のほうが強かったのかもしれない。


7巻がくっついたことで、6巻の意味合いは変わってしまうのかもしれません。
でも実際は、6巻の状態で終わってしまう関係って、たぁくさんあるのかもしれないなぁ。
これまで人生で出会ってきた、たくさんの人々。たとえ再会できなくても、残るなにか。それを感じながら、僕は生きているだろうか。


さて7巻。
想い出に生きるほうは、生きていく気力を失い、
想い出を失ったほうは、必死に生きようとする。まるでなにか、約束があるかのように。


「記憶」が「あるべき姿」をイメージさせる。
「あるべき姿」と「現実」との乖離。苦しみ。
記憶なんて無いほうが、ある意味幸せなのかもしれませんね。


でも、ギャップへの苦しみ・悲しみを、そのまま受け入れ・味わうからこそ、本能のまま生きることに必死になっていたら気づかないこと、ごくささやかな、でも実はそこここで営まれて居るあれやこれやに、気づけるのかも。




映画化されましたね。
アニメーション化された絵が、絵本のタッチとかなり違っていて、いまのところまだ観る勇気(^^;が湧かないのですが・・・観てみようかなぁ。


P.S.
6巻以外は、読み終えて記事にしたと想っていたんだけれど・・・検索してみたら、書いてないみたい。あれぇ???(^^;;;
どこかのコメント蘭に書いたのかなぁ?