LRT

Light Rail Transit 略してLRT
高性能な小型電車LRV(Light Rail Vehicle)を使った、新交通システムです。
iso14000に関係して、今日はLRTの日本での現状をあれこれ調べました。


まず、LRTとはどんなものか・・・LRTのある風景がお勧め。デザインがとてもきれいなページで、ヨーロッパのLRTの雰囲気が的確に紹介されてます。


都市により運用形態はいろいろですが

  • 郊外は新設専用線や既存鉄道への乗り入れで時速80-100kmで走行。
  • 市街に入ると乗り降りしやすい路面を走行します。優先信号や立体交差でスイスイ。乗降場は歩道と一体化されてたり、バス停とつながってたり。
  • 都心では、車を締め出した商店街を自転車程度の速度で走行し、水平方向のエレベーター役を果たす(トランジットモール)。愛・地球博で、グローバルループという大きな遊歩道に、ゆっくりと小型のトラムが走ってるんだそうですね!そんな感じ。あ、TDLトゥーンタウンや、TDSのニューヨーク地区のほうが的確だ!
  • ターミナル駅付近では地下を走行してる都市もあります。将来はフル規格の地下鉄にする予定で、効果の高い区間から地下軌道を造り、LRVを路面から乗り入れさせてる例も。


近年の話題は、超低床車。ヨーロッパから技術導入された車両が、日本でもいくつか走り始めています。100%国産技術の車両も登場


導入コストが低い・環境にやさしい・バリアフリー・ニーズに応じて多様な走行形態がとれる・都市景観を破壊しない・狭い道路にも導入可能・既存インフラとの接続/活用が容易・逐次投資が可能・・・人口50万-200万人規模の都市には、適切な新交通システムです。パーク&ライドにより、自家用車による渋滞・市街地の荒廃を見事に解決し、トランジットモールで、歩いて楽しい街を実現し賑わいを取り戻した例が、欧米には多数あります。


ところが・・・現況、日本ではLRTと呼べるレベルのシステムはまだ登場していません。
LRVは、各地の路面電車に導入され始めているのですが・・・。
そのネックは、どこにあるのか。

都心居住と公共交通サービスを日本の都市行政は1番軽んじている.
街の中心部には様々な社会層,貧しい人からお金持ちの人,高齢者から若い人すべての社会層の人が街の中心部に住める政策をすすめてこなかった.
都市が都市であるためには、都市の人々も郊外の人も容易に街を移動できる、足の確保が重要であり,特に公共交通は重要で行政サービスの一つだという視点でフランスは都市行政を進めている.

グランドデザインの不在。これが大きい・・・。


そんな中、奮闘され、突破口を切り開いてきた人たちが居ます。
低床式新型路面電車時代の幕開け
今、日本で一番LRTに近い運営をしているのは、広島市広島電鉄。その電車部門責任者の公演録です。実務に取り組んでこられた方ならではの迫力があります。課題と工夫が満載!
法規制や経済環境の制約。そして、それをどう克服されてきたか・・・。


今や広島では、市民団体の提言が、横川駅というターミナルの改良に取り入れられてます。
路面電車とLRTを考える館横川駅結節点改良市民提案 : 路面電車を考える館
結果、arch-hiroshima 広島電鉄横川駅・・・こんな風に仕上がったんですね!見事。


オープンカフェに関する記事も発見。

欧米におけるオープンカフェの歴史は意外に浅く、パリなどの例外を除くと、概ね20〜40年程度だという。つまり、欧米といえどオープンカフェは歴史的、自然発生的なものというよりは、賑わい創出の意図を持った”政策”として実施されているようだ。

ほぉ!そうなんだ・・・。
広島市オープンカフェに関する社会実験を紹介したこの記事、読み応えあります。
法律の制約と、涙ぐましい努力による解決!ほほぉ!!!
広島電鉄といい、広島市ってなかなか気骨があるなぁ・・・。


LRTによるトランジットモールとまちのにぎわいでは、トランジットモールとは何か、導入する障壁は何か、的確に解説されています。
中心街の空洞化に悩む、日本中の街。その解決の切り札になりそうなのですが・・・実現は難しいのか?
と調べた所、これまた路面電車が活用されてる街・松山市で、トランジットモールの具体的構想が!http://www.city.matsuyama.ehime.jp/matsuyamaeki/douro/
日本初の常設トランジットモールは、これになるのかな?


そして・・・先ほどの広島市の事例だけでなく、いろんな地方自治体や市民団体が、LRT導入にむけて活動してるんですね。見つけたものをいくつかご紹介。