悟る 再び

前項の記事「他者は鏡」の続きです。
興味深いのはですねぇ。
私、大抵、自分が相手のポジションに立っていたら・・・って仮想体験しながら、現実を味わっているんです。たとえばショーを観てる時ならば、ダンサー・シンガー・観客・スタッフ。時にはスピーカーやら照明機材の気持ちになることさえあります。
そのほか、いろんな場面で、そう。店員さん・友人・クレームつけてるお客さん・信号機(^^;などなどなど・・・・・。
ところが。今回の女の子に対しては、そうじゃなかった。あとで改めて意識して、初めて仮想体験できたわけです。


大学時代、硬式庭球部でした。
一度だけ、すんごい体験をしたことがあります。
夏合宿での後輩との打ち合い。
互いに技術のベストを尽くして、厳しいコース・厳しいコースへと打ち合っている。
強い横風。でこぼこなコート。なのに、ボールがどう動くか、手に取るようにわかる。
コートの向こうに居る後輩も、おんなじ感覚で居ることが、ありありとわかる。
次にどのコースに打って、それがどう返ってきて、それをどこへ打ち返して、それがどんなふうに返ってきて・・・って、5球先の展開が、ありありとわかる。そして、寸分狂わず、そのとおりになる。
このまま、いつまででも打ち続けていられる・・・死力を尽くしながら。
至福の体験でした。後輩と、私と、ラケットと、ボールと、コートと、ネットと、風と。すべてがありありと、まるで自分自身であるかのように感じられる。伸びやかに、全力を尽くして、持ち味を出し切っている、その愉しさ!
時間が来て、ホイッスルとともにその打ち合いは終わりました。
「いやぁ、凄かったなぁ」「凄かったですねぇ!」ボールボーイしてくれてた後輩も「ほんと、凄かったです!」
一流アスリートが「ゾーン」に入る・・・という言い方を、近年よくします。あの打ち合いは、まさに「ゾーン」に入っていたのでしょう。


自分の中の、受け入れがたい部分。得てして、その存在にすら気づかない。
でも、必ず他者に投影してます。
どこに投影してるか・・・「こいつの立場は、仮想体験してみたくない」、そこです!
または、身体の痛みだったりコリだったり。
そこに意識を向け、仮想体験し、味わう。すると「ゾーン」が拡がるのでしょう、たぶん。
・・・そっか、うんちの立場を仮想体験すると、きっとなにか発見があるんだろうな(^^)