Back copies of「サロンで議論」:マニュアル人間は退化する.

ルールやマニュアルについて、直感と思考について、レジャーの重要性について・・・ここ数日出会ったテーマのヒントになる記事を発見。

右脳でひらめいたアイデア脳梁を通して左脳に伝え、そこで具体的な形に組み立ててもらう。あるいは左脳で得た論理的考えを脳梁で右脳に伝達し、右脳の発想によりそれを現実的なイメージにしてもらう。左脳で“設計へのインプット”を列挙し、それをもとに出来上がりをいろいろ想い浮かべるのは、右脳の役割だ。
(中略)
日本人は左脳はよく働くが、右脳は働きが鈍い人が多い。欧米人には逆の人が珍しくない。左脳と右脳がバランスよく同時に働き、脳梁を通じて瞬時にコミュニケーションできるタイプの人間は、日本人では数パーセントもいないらしい。そういう人は、貴重な存在である。
 無趣味な仕事人間は左脳人間になりやすい。仕事で右脳を使う機会が多ければよいのだが、そうでなければせめて休日には音楽・絵画・映画・写真・造形・園芸・旅行などの趣味に興じ、感動・感激して右脳に刺激を与え、活性化させる必要がある。
(中略)
 ついでに、知能の話も少ししておこう。人間の知能は、結晶性知能と流動性知能に分けられるらしい。
 結晶性知能とは、それまでの知識や経験の結果として得られる知的能力だ。学歴秀才や年寄りは結晶性知能は豊かである。だが、流動性知能は貧弱で、過去の経験・知識・前例を踏襲するから頭が固い。ある意味でマニュアルは結晶性知能を文書化したものであり、これに対応手順を定めておけば、通常のこと(型にはまったこと)はそれで対応できる。
 脳は歳とともに老化すると思われていたが、知識や経験の積み重ねである結晶性知能は、必ずしもそうではないことが分かってきた。年寄りになっても結晶性知能は低下しないのである。
 これに対して流動性知能とは、マニュアルにはない事態が生じたときに、迅速にかつ適切に対応できる知的能力のことである。それまで経験しない窮地に陥り、あれこれ策を講じて修羅場(緊急事態)をくぐり抜けることは、流動性知能を鍛える。流動性知能はスピード性にあふれた知的反射能力でもあるのだ。
 この流動性知能は、直感力やひらめきに大いに関係するらしい。右脳が働いてこそ、流動性知能も活性化されるというのだ。そして残念なことに、流動性知能は歳をとると退化する。融通が利かなくなる。

マニュアルやシステムを組み上げた後、その有効性を監査するわけだけれど、これが、形どおりのチェックリストを機械的にこなしたものになってしまったら、システムが硬直化してしまう。
如何に新鮮な目で、出来上がったシステムを見つめなおすか。
トヨタ方式で言えば、新人さんや他部署の人間に、「なぜ」を徹底的に問うてもらう。真の原因にたどり着くまで。これが、硬直化を防ぎ、流動性知能を磨くんだろうなぁ。