怖い話

たしかこういう書名だったと想う。
もう30年前。小学3年生のころだったか。図書館でこの本を見つけた。
”怪談かな?”・・・とおもって読み始めたら、ぜんぜん違った。
歴史上の出来事を淡々と記述した本だった。
そして、怪談なんかとはまったく比べ物にならないほど、怖い本だった。

731部隊ユダヤ人虐殺、中世の魔女狩りetc.
人間って、同じ人間に対して、こんなにも残酷になれるのか!!!
そして、僕自身も、まぎれもない人間。そんな恐ろしさを確かに内に秘めている。そのことが、決定的に怖かった。
と同時に、そんな愚行をおぞましいと感じ、止め、繰り返させない工夫をする気高さも、僕たち人間は持っている。
結局、僕たち次第なんだ・・・。

歴史の授業だったか、道徳の授業でだったのか、キリシタン弾圧の様子を、先生がリアルに語ってくれたのも良く覚えている。
それは自分とは関係のない出来事ではなく、ひとりひとりの中にある暗黒面と同じ要素が引き起こしたということ、だから、どんな社会を創っていくかは、僕たちひとりひとりの日々の選択だということを、学級全体がそのとき学んだのだと想う。
迫力ある授業を繰り広げてくれた恩師に、深く感謝している。