ハーバード白熱教室@東京大学

つかみが上手い!!!

4人の船員の事例

ハーバードの講義でも取り上げられたもの。
流れはおんなじだが、いざ日本人が、その議論の中に立ち、追い込まれつつ自分の立場を明確にしていくさまは、思いもよらず、なかなか刺激的。
顕になった3つの立場

  • 功利主義
  • 自分の身体は、自分でコントロールできるという基本的人権がある
  • いや、もっと深く、生命尊重・自分自身でさえそれをおろそかに出来ないという根源的道徳がある

イチローの年俸は高すぎるか

日本人で一番稼いでいるのが、たぶんイチロー。年1800万ドル。
日本の教師の平均年収は、4万4千ドル。
オバマ大統領が、40万ドル。

  • 市場に任せるべき。財産を自分自身でコントロールする権利がある
  • いや、生命は自分自身でコントロールできるが、貧しい人の生命が危機にさらされている現状では、財産権の制限は許される。生命は重要
  • 功利主義。100万ドル稼ぐ人から50万ドルとっても、痛くも痒くもないが、それでどれほどたくさんの貧しい人が幸福になるか
  • 美徳。自分のコミュニティから生命を失う人を出さない。自己犠牲
  • 役割と貢献。オバマのしていることは、道徳的にイチローより遥かに重要だから、たくさんの収入を得るべき

東大の入学資格をお金で買えるか

東大は、ほぼ学力で合否を決定している。
授業についていける程度の学力がある学生・多額の寄付をしてくれるなら、入学を許可していいか?

  • 功利主義のあきらさん・反対。公立学校であるので、公正さを守ることが、社会の利益になる
  • 賛成。それで不合格になる人が居るわけでない。学力が足りないわけでもない。3000人のうち数人の枠なら、いいのでは。
  • 入学は、努力に対する見返り。お金の有無で決まるのは不公正な気がする。
  • 大学の目的は、学問の卓越性。それに沿って、学力での入学選抜が適切
  • 既に今も、親の年収が高い人が、東大には多い。学力に、富も一役買っている(不公正だとは想わない。それが現実)。学力・年収・いろんなタレントで、入学選抜され、多様に貢献すべき

アメリカでは、なにが不公正で、どうすれば公正に調節できるのか、を、多様に論議してきた。
意見が一致することはなかった。しかし、正義について3つの違う概念があることを突き止めてきた。
正義とはなにかにとりくむのは、決して哲学者の仕事ではない。市民の仕事の一部。


40分延長してのひとこまめ。
講義の中で発言したひとたちなどへのインタビュー。緊張で想うようにしゃべりきれなかった様が伝わってくる。

てんぱってしまって、なにを言われたのか半分もわかってなかったかと・・・(功利主義のあきらさん)

いざあてられるとしどろもどろで。ハーバードの学生は堂々としてた、もっとあのように

どんな発言も、受け止めて、その意図を汲んで、サジェスチョンを与えてくださって・・・。

手を挙げましたが、発言は出来ませんでした。でも、自分と同じ考えの発言者がかならず居て。参加しているという実感がありました。

受講者が、どのような態度で、どのように議論するかが、講義の成否を決めます。
どのような発言があるのか、コントロールすることは出来ません。意図した要素を含む発言が、あるかもしれない、ないかもしれない。でも、真摯に議論をすすめる中で、必ず前へと進んでいける。