もののこころ

気持ちのいい秋晴れの一日。
15:55 ディズニーパークマニアのコスプレ(^^)で出発
なかなか車の多い国道6号も、柏を過ぎると快走。
サバンナのような利根川河川敷に、沈みゆく夕日。



17:22 ㈱ブームスの新店舗 secret GATEに到着。

もしも、東京ディズニーランドの家具・灯具・小物たちに値札が付いていたら。
ホーンテッドマンションのシャンデリアや、カリブの海賊のチェストや、旧カメラセンターの事務机に値札が付いていたら。


買ってしまいたくなるのは、私だけだろうか?
たとえ置き場所がなくても、似合う部屋がなくても、
置き場所を用意して、部屋の色を染め替えて。


・・・そんなお店だった。




帰り道で、ふっと想った。
今までの家具屋は、ある意味、奴隷市場のようなものかも知れない。
商品が、ぽつんと裸で、または、似たもの同士で、死んだ空間に立たされて。


ひとが、然るべき舞台で生き生きとするように、
ものの個性も、然るべき舞台でこそ輝く。
ものたちが、語りかけてくる。
ひとに惚れるように、ものに惚れる。一緒に暮らしてみたくなる。新たな舞台を創ってみたくなる。
爽やかな青の和ダンスとか、シンプルな無垢板のロッキングチェアとか、貝で飾られた鏡とか、ポリカーボネートの座卓とか、
家を新たに借りてでも・・・やばいやばい。


なにが違うんだろう。あの、ニトリさんの売り場をはじめてみた瞬間の、”あぁ、この膨大な家具みんな、20年後にはゴミか・・・”という殺伐とした感慨と。
たぶん、敬意。
ものには、こころがある。
ものそのものがはじめから持つこころかもしれない。創り手や使い手が込めた念かもしれない。様式に込められた歴史や文化かもしれない。
そんな、もののこころへの、敬意。

「バービーなら、ほかにも居るじゃないか。」
「いや、僕には彼女じゃなきゃ、駄目なんだ。」
トイ・ストーリー3

中国は長い間世界をリードしるような文明国だったが
近年のたった200年間だけ、その座を退いた。
そしてまた、その座にかえり咲いた。


近年のこの200年とはどういう時代だったろう。

その、ひとつの答えが、ここに観える。
かつてはネジでさえ、ひとつひとつスペシャルな特製品。ほかのネジ穴には、きちんとはまらなかった。
規格化され、互換性が保証され、決まったネジを買ってくれば、ポンとはまるようになった。
ネジだけではない。バービー人形は、隣の箱もこの箱も、おんなじもの。この家具も、あの家具も、おなじ型番なら、同じ家具。
いつしかひとも、あのひととこのひとと、置き換え可能に。


それは、たくさんのメリットをもたらした。ひとの規格化でさえも。
たとえば、僕が希望の日に休暇を取れたのは、僕の代わりにおんなじ仕事をしてくれるひとが居たからだ。
でもね、
腕の立つエンジニアは、いまでも、どのネジをどこから外したか覚えていて、もとどおりに戻したりする。
あのネジと、このネジは、おんなじ規格でも、決しておんなじじゃないってことを、よく知ってる。
規格化が問題なんじゃない。
もののこころを感じ、活かすか否かの問題なんだ。


世間に”セレクトショップ”なんて言葉があるけれど、「意味わかんねえよ」って、ずっと想ってた。でも、このsecret GATEはまぎれもなく”セレクトショップ”だ。世間様の定義に合致してるかどうか知らんけど。
ヒューマンスケールの展示、でも、モデルハウスとは比べものにならないほどいきいきしてる。むしろ比べるべきは美術館や画廊かも。
インテリア・エクステリアって、素敵だな・としみじみ想った。
ウォークスルーアトラクションタイプの家具屋。
家具屋?・・・いや、あの空間で、酒が飲みたいな。

㈱ブームスの社長と、無垢板のロッキングチェア
このエリアに入って、この椅子のほうを眺めたまさにその時、流れたBGMが

when she loved me

・・・iTunes、超GJ。ってか出来すぎ。
1600曲ほどの中から300曲ほど選び抜いて、ランダムでかけてるそうなんですが、ほかにも、MJのスマイル、ベニー・グッドマン楽団のその手はないよ、星に願いを、などなど、いいタイミングでぴったりの曲が。


ウォルトがディズニーランドで遊園地を革新したように、
規模こそ小さいけれど、いやむしろだからこそ、家具屋の革新。
店をどんど大規模化し、品数をどんどん増やし・・・すると家具も客自身も、どんどんありふれた、小さなものにみえてくる。
その真反対のお店。
果たしてビジネスとして成立するのか否か、ドキドキだけれど、是非うまくいってほしい。
やがて全国の家具屋さんが、それぞれのセンスと家具愛を全力で注入して、こんなお店を創ったなら、
それはそれぞれ、唯一無二の売り場になるだろう。
そのとき家具屋巡りは、美術館・博物館・画廊巡りと同じくらいには、創造的なレジャーになる。
しかも、そこでの体験と出会いと惚れて持ち帰った品物は、
私たちの生活の場そのものを、ディズニーランドのようにワクワクする場に変えていくだろう。


こんな気持のいい日に、
ディズニーランドやディズニーシー蹴っ飛ばして、片道1.5時間かけてでも行ってよかった。ちっぽけなお店なんだけどなぁ。
ありがとう、スタッフの皆さん、そして、あの店が成り立つのに携わったすべての皆さん。
お疲れのところ、ついつい長居してしまった。
スタッフお三方とも、疲れているはずなのに、とっても生き生きしていた。
まったく新しい業態だけに、日々試行錯誤の連続になることでしょう。
こころから成功をお祈りしています!
20:20 出発
21:25 帰着




夢も観ずにくたっと寝て、
ぱっと起きて、目が冴え冴えとして、朝までこの記事買いて、
朝食とってから、くたっと寝たら、久しぶりに映画のような濃い夢をみた。
・・・言葉でみえている以上に、深くなにかを刺激されてるみたいです。




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