外岡先生の今日の日記、
今回の新型インフルエンザ対策の混乱について、原因となにを為すべきかを、的確に指摘しておられる。

重症患者やぜんそくなど重症化につながる疾患を持つ人への感染防止対策にシフトする。専門家の意見を聞いた上で、週内にも正式決定する。
 これは4月下旬からそうすべき対策であったと思うが、なぜ歯車が狂ったか分析したのだろうか?
 WHOのフェーズ分類にだけ従った行動計画しかなく、その行動計画を当てはめたのが、そもそもの間違いだったはずだ。


 新型インフルエンザという言葉、その定義を変える必要がある。
 もしこのインフルエンザA(H1N1)がより病原性が低下し、さらに流行が早期に終息し始めた場合は?
 もしこのインフルエンザA(H1N1)に対する免疫保有者がことの他多く、感染感受性者が少ないとしたなら?(ニューヨークでの調査では5月1日?20日までの期間で7%程度の発病者が出たと想定。通常は10?20%程度)。
 以上の状況でも新型インフルエンザと呼ぶ?


 感染症法上での”新型インフルエンザ”の定義が、極めて曖昧となっている。単なる仮想感染症にすぎない。
 新しいタイプのインフルエンザが現れた場合、(novel influenza)、全てを新型インフルエンザと一括りにしないで、その病原性と感染力を加味して、厚労省大臣がその危険度を定義する。出現後2週間以内に暫定的、4週後に確定とする、等。
 今回のA(H1N1)の場合、4月30日には暫定的に季節性インフルエンザレベルであることは分かっていた。5月第2週には確定的だった。
 今回の方針の決定はもちろん正しいと思うが、もっと先行して対策を決定してゆかないと再び全ては後手後手となる。

今後は、ワクチン接種を、どんな順番で、どこで、どのように、やっていくかの検討が、重要問題だ、とのこと。

 米国のカスリーン・セルベリウス保健福祉省長官がインタビューで、A(H1N1)ワクチンは学童に優先的に接種する考えもあることを発表している。それはこれまでの死亡者の半数以上が、健康な若い層であったことからである。
 米国で、小児喘息が入院患者の40%を占めていることは知られている。
 このあたりのデータは他国でははっきりしていない。