新型?インフルエンザ

 インフルエンザA(H1N1)を早くに、”新型インフルエンザ”という区分から外すべきだ。
 本当に毒性の高いものが出てきたときは臨機応変に区分を変える。
 そのような対応をしてゆかないと、必要が無いときにエネルギーをすり減らし、肝心な時に何も対応出来なくなる可能性がある。

まったく同感。
今回は、スペイン風邪タイプのウイルスだそうな。ならば、”新型”ではないじゃないか。

NHK総合”追跡AtoZ”で今、特集をやっている。

なぜ感染拡大に気づくことが出来なかったか
  • 流行しているインフルエンザを、新型だと見抜けなかった(神戸の医師が機転を利かすまで)
    • なぜ?・・・症状が、まったく普通のインフルエンザと同じだった。また、国が示した診断基準は、”渡航歴”があることが条件に入っていた。
    • なぜ?・・・”新型の恐怖”が強調されていた。水際作戦ばかりが強調され、その限界を、みな知らなかった。
  • サーベイランスシステムを、通常、週一回の集計を、毎日にするよう、5/1に指令メールが厚生労働省から出ている。しかし、いまだに患者数集計は0
    • なぜ?・・・はじまったことに、自治体が気づいていなかった(たとえば、兵庫・大阪の10の自治体全て)
    • なぜ?・・・同じ日、厚生労働省から15件ものメールが出ている。ほとんどは水際作戦に関するもの。サーベイランスシステムの件を、見落としていた。
    • なぜ?・・・水際作戦の、渡航者健康追跡チェックに膨大な労力を取られていた。
患者への差別
一般病院での対応
    • 診療所
      • 限られたスペースで、工夫を凝らしながら
    • 大病院
      • 多い日は40人以上・一人新型を発見
      • 要員が7人多く必要。無理して維持している。

行動計画では

  • 初期段階は、9つの発熱外来で対応・・・1日3000件の相談・パンク
  • 全ての医療機関で対応・・・もし、病原性が強いウイルスだったら、とうてい対応不能
自治体はどう判断したか
  • 休校・・・大阪市は、最初は「休校しない」と判断。その翌日、市長は判断を変える。
    • なぜ?・・・厚生労働省の要請で”兵庫県大阪府下全域で7日間”・・・断るだけの判断材料が無く、受け入れる。
    • →学校に、保護者から、子供の世話を仕切れない・授業が遅れるなど、電話が殺到。経済界からも苦情が
    • 昨日、国の方針が変更。自治体の裁量に任せる方向に。
    • 教育委員会の調査結果(多い学校でも、インフルエンザ様の症状2名・集中発生の地域なし)をよりどころに、再開決定

市長さんの、想い判断を背負った顔。

アメリカの ウイルス致死率に応じた行動計画
  • 学校閉鎖
    • 致死率<0.1%(カテゴリー1)・・・推奨しない
    • 0.1<0.5%(カテゴリー2)・・・4週間以内

など、カテゴリー5まで、決めてあり、公表されている。

WHO進藤奈保子医師との生インタビュー
  • 休校
    • 最初、感染源がわからない状態では、やむを得ない。
  • ウイルス
    • 感染力は非常に高い。
    • 病原性も、季節性インフルエンザとはっきり違う。”肺炎の入院””若年層”

時間切れ。もうちょっとしっかり聞きたかった。

僕が感じたこと

  • 行動計画が、ウイルス致死率に応じたものだったら・それを広報していたら
  • サーベイランスと、ウイルス特性のリスク判定に力点を置いていたら・そして調査結果をリアルタイムで広報できる体制だったら
  • 水際作戦の限界を、ちゃんと広報していたら

ここまでヒステリックな状況には、ならなかったんじゃないかなぁ。
アメリカは、まさにそう。だから、社会的ヒステリーにはなっていないんだろう。国民性も、CDCの姿勢も、もちろん影響しているだろうけれど。