プロフェッショナル 武豊 挑み続ける者に、限界は無い

たたずまいが自然。パリで、翌日乗る馬の情報を確認して、「わ、軽いなぁ・・・今晩ご飯食べられないな。普通、ご飯を食べるために仕事をするのに、仕事をするためにご飯食べられないんだもんね」
レース前は、とてもリラックスしてる。騎手が感情を出すと、馬に伝わってしまい悪い影響が出ると考えているから。

  • 主役は、馬  だけど何も分かっていない

距離も分かってない、勝ちたいとも想ってない。それをコントロールしなきゃいけない。

  • 馬の邪魔をしない

超一流の機種でも、勝率は2割。
「負けるたびがっくり来る人は、騎手に向いてない。圧倒的に多い負けを、無駄にしないひとが、人よりちょっと勝てるんじゃないかな。」
どんな小さなレースでも、ビデオで見直す。試合前とは打って変わった厳しい表情。「正解か間違ってんのか判んない中で、最高のものを探していかなきゃいけないですからね。20年間悩みっぱなしですよ」
出場は年間800レース。どんな小さなレースでも、依頼があれば乗る。
「もっともっと、上手くなりたい。うまくなりたいと言うか、いい騎手になりたい。だれだれより勝ちたいとか、全然無いですね」
ある若い馬を、初勝利に導いたレースの詳細映像。ごくわずかな手首の動きで、馬を右に向かせる。


スタジオに。柔和なにこやかな顔で。ダンディな背広。
初対面の馬、どこを見ます・・・目。顔に性格が出てる。
鞭と蔵、とても美しい。鞭裁き、実に軽やか。くるくると。
人馬一体・・・馬に乗ってることをわすれるときてたりますね、馬の足が自分の足みたいなときって、ありますね。


ゼロ泊とんぼ帰りでフランスへ。

  • もっと、うまくなりたい

はじめてのアメリカでのレース。馬も騎手も桁違いに強い。武者震い。
海外遠征へ
1994年凱旋門賞、日本人馬主の指名で、人気馬に乗り、6着。地元メディアに「日本人に勝てるわけが無い」とこき下ろされる
国内なら、黙っててもいい馬に乗れる、賞金もいい。なのに、海外では頼み込んでもなかなか乗せてくれない。乗れても無名の馬、それでも海外と日本を行き来。
2年前、ディープインパクトでの、凱旋門賞挑戦・・・3着 馬の力を十分引き出せなかった。

  • いい騎手になりたい

スタジオで。「日本人には勝てない」と言われてどんな気持ちでした?・・・柔和な、おだやかな顔で、謙虚に。「自分の乗り方の幅が狭かったかなぁと」
ディープインパクト、初めて乗ったときにもう、「この馬が僕の夢をかなえてくれるんじゃないかなぁ」と想った。
凱旋門賞、わくわくした。
あと300mくらいで、あれ、いつもの感じと違うなぁと。
ディープインパクトでも駄目だった”っていうひっかかりはないですか?・・・挑戦し続けないと、絶対無理だなぁと想うと、離れる一方だと想う。いつか勝ってやろうと想うと、エネルギーになる。いろいろまた考えられる。
凱旋門賞への4貝目のチャレンジ。
車で凱旋門へ。「車線が無いっすからね。競馬もこんなんですよ。」・・・茶目っ気たっぷりの顔
小さなレースに。前をふさがれ、スパートできず、惨敗。

  • いつも通りにやる

淡々と、厳しさに向き合う。武士のような表情。

  • プロフェッショナルとは

貫くことですかね。自分のやるべきことを、流されずに。僕自身がそうやって行きたいなと想ってます。


11/23 落馬で腕を骨折。年内復帰を目指し治療中。