透明な空。はるか房総半島方面と、相模湾の方角に、かすかな雲があるだけ。
日没を見ようと、自転車で荒川の土手へ。
坂を上がる間に日は沈み、土手の上に出たときには、もうビルの谷間に、太陽の上辺がわずかにのぞくだけ。それが不思議、しゅわっと横に広がり、真紅に輝いて、じんわりと沈んでいく。
沈んだ後、雲がきらきらと輝きを増す。どんどん輝いていって、やがて空のグラデーションが濃くなっていく。
そんな空を眺めながら、ゆっくりと平井大橋まで。
川岸から三味線の音が。薄暮のしんなりした空気になじんでいく。雲がドラマチックに輝いたとき、三味線の音もひときわ高く。
Uターンしてもどる。富士山のシルエットがくっきりと見える。
薄暗くなった河川敷の道を、たくさんのライトが。少年野球チームが自転車で帰路についている。坂路の遠回りを避け、まっすぐこちらに直登して来る子が半数。
どんどん濃くなる紅色のグラデーション。土手に腰を下ろし30分ほど眺めていたろうか。見回すと、そんなひとたちがちらりほらり。