演劇:宝塚BOYS(東宝芸能) 味ある男声合唱、展開も鮮やか
 宝塚歌劇団に男子部が実在していた。敗戦直後の1945年師走に第1期生が入団、9年後に解散するまで総勢25人の男子研究生が宝塚大劇場に立つことを夢見た。辻則彦の労作「男たちの宝塚」を原案に、中島淳彦脚本、鈴木裕美演出。

 ずっと耐え続ける話なのに、宝塚への愛が根底にあり明るく感じられる。男声合唱の「モン・パリ」「おお宝塚」「すみれの花咲くころ」も味がある。幕切れの大階段の夢のレビューショーまで展開が鮮やか。花緑、吉野に花があり、宝塚で唯一の味方である山路和弘初風諄が好助演。24日まで、ル・テアトル銀座。【高橋豊】

毎日新聞 2007年6月21日 東京夕刊