コントロールドラマ

という概念があります。これまでも時折、紹介しましたが・・・
http://d.hatena.ne.jp/BigLove/searchdiary?word=%a5%b3%a5%f3%a5%c8%a5%ed%a1%bc%a5%eb%a5%c9%a5%e9%a5%de
・・・判りやすく言うと、「かまってちゃん劇場」です(^^)。
物語を仕立ててパワーゲームを仕掛け、他人のエネルギー・・・注意や関心・・・を自分に向けることで、満足を得ようとする。


演じ手に、4つの類型があります。

  • 脅迫者
  • 被害者
  • 尋問者
  • 傍観者


たとえば・・・
ひぇーさんは、尋問者。
空白さんは、被害者になったり、脅迫者になったり。
僕は、脅迫者です。
http://poesie.hp.infoseek.co.jp/ConDrama.htm は、なかなかわかりやすく解説してあります。詳細はそちらをお読みください。


で。
コントロールドラマは、たとえ成功しても、かりそめの満足しか、もたらしません。
しかも、自分の得る満足より、相手のダメージがはるかに大きい。双方足すとマイナス。
もちろん、失敗すれば、双方共にマイナス。
創造性が無いんですね。投入したエネルギーよりも、常に成果が小さい。消耗戦。エネルギーの無駄遣い。



実例を挙げましょう。
私のさる親友夫婦。
旅行先の岬で、夫が妻に「柵の外に出てはいけないよ!」と厳しく説教。
でも、さっき夫は、柵の外に出て写真を撮っていたではないか。証拠写真もある。
帰ってきて友人たちに証拠写真を見せて言います。「ほら、夫って、私に注意するくせに、自分はこんなことしてるのよぉ(^^;;;」


・・・実は。
夫はかつて、岬での転落事故で友人を亡くしています。


そんな悲しい思いを2度としたくないからこそ、妻に強く注意を促した。
ところが妻は、そんな真摯な思いを汲み取らなかった。
ほんとに「がけは危険だ」と判っていたなら。そして、夫の命が大切なら。証拠写真なんか撮らずに、大声で注意を促したはずです。
結果から見ると・・・注意を受けて、ただカチンときた。自分の命よりも、メンツのほうが大切だった。そして、意趣返しをした。意趣返しのほうが、夫の命よりも大切だった。


意趣返しが成功したとします。
夫は、妻に意図を伝えることをあきらめる。
そこで妻が得る、ごくわずかな満足よりも、夫の無念さははるかに深い。
そして・・・命よりもメンツを大切にする、この根底が変わらない限り、多分彼女は、これからも怪我をし続けます。


実は本件、意趣返しは失敗しました(^^)。
夫は、柵の外には出ていなかったんです。単に妻が誤認してただけ。
でも・・・夫には「真摯な思いを理解してもらえなかった」という無念さが残るでしょう。
「もう、彼女に注意を促すのはやめよう・・・」とあきらめても不思議ではありません。
あきらめず、メッセージを発し続けて、その果てに。ついに妻が、夫の意図を汲んだとします。
でも・・・素直に聞き入れるよりも、ずっとずっとたくさんの時間とエネルギーを、空費してしまう。
妻は、それだけたくさんのエネルギーを、自分のために使ってくれることを、無意識に期待しているんです。


ねっ、「かまってちゃん劇場」でしょ(^^;;;



そんな馬鹿馬鹿しいコントロールドラマ。
でもね、親がコントロールドラマを演じてると、子供はそういう生き方しか知らないで育ってしまう。


脱出のポイントは。
「素敵」なもの・ことに触れる喜びを、しっかり味わうこと。
たとえ無人島にいたとしても、味わえるような喜びを、しっかり味わうこと。
たくさん、そこここにあふれています。
美しい夕日を眺めたり、風の音に耳を傾けたり。道具を発明したり、細工がうまく出来上がったり。


自分自身がエネルギーの泉なんです、ほんとは。
感受性と創造力こそが、資源。しかも、無限。


それがわかれば、「あれ?今、創造的じゃないことにエネルギー使ってるな・・・ん、コントロールドラマだ!」って、わかるようになります。