コニカミノルタ、カメラ事業・フォト事業撤退

適切な判断だと感じる。
でも、とても残念。
簡潔、かつ、とても言葉を練られたプレスリリースが、胸に響く。

コニカミノルタグループは、長年にわたりフォトイメージング事業のリーディングカンパニーとして画像の入力から出力まで広範囲にカバーし、また独自の技術を駆使した製品群を通じて、お客様に対して多くの感動を提供してまいりました。

このシンプルな書き出し。そして、まさにその通り。
「兆年にわたり」「リーディングカンパニー」「広範囲にカバーし」「独自の技術を駆使」


日本に写真を普及させ、根付かせる働きをした会社、コニカ
私は、コニカSというカメラで、写真を始めた。サクラカラーにも、コニカカラーにも、ずいぶんとお世話になった。フラッシュ内臓のピッカリコニカ、世界初のオートフォーカスカメラ ジャスピンコニカ。普及機だけれど、価値ある付加機能、丁寧な創り。簡単に・しっかりと・美しく写真が撮れることに貢献してきた会社だと想う。


バヨネットマウントを普及させ、オートフォーカス一眼レフの時代を切り開いたミノルタ
なぜか僕の回りにはミノルタ一眼レフのユーザーが多かった。僕自身が一眼レフを購入する際、最後まで候補に残ったのはミノルタXDだった。今、祖父の形見のα-7000が手元にある。巻き上げの感触・作動音・ファインダーのボケ味などなど、官能面にこだわった、使っていて気持ちいい機械たちだった。


「お客様に対して多くの感動を提供してまいりました。」
この簡潔にして、誇り高い言葉。
どれほど多くの感動を、両社が生み出してきたことか・・・ちょっと想いを馳せるだけで、その広さと深さに、おぼれてしまいそうになる。

しかし、昨今のデジタルカメラにおいては、CCD等のイメージセンサー技術が中心となり、光学技術、メカトロ技術など当社の強みだけでは、競争力のある強い商品をタイムリーに提供することが困難な状況になってまいりました。
(中略)
歴史ある銀塩写真の市場は、世界的なデジタル化の進展により、その市場規模が急速に縮小しております。

冷静にして的確な状況把握。


アフターサービス。最大限、ユーザーに迷惑をかけないようにと、折衝に懸命の努力をされたんだろうなぁ・・・。
カメラはソニーに、ミニラボノーリツ精機に。望みうる最善の結果だろうと想う。よく引き受けてもらえたなぁ。また、良くぞ引き受けてくださった。


このプレスリリースが、あまりにも簡潔で的確で、よく言葉を選ばれているから、その向こう側にある沢山の社員さんたちの、膨大な想いが想像される・・・。