Pacific Electric

アナハイムのディズニーランド周辺をGoogle Earthで眺めてて、鉄道の跡らしきものが、そこここにあるのに気づきました。
そういえば、かつて、ロスアンゼルス近郊は、世界一の電車王国なんだった!


Pacific Electric(以下PEと略)という、世界一の路線網を誇る電車会社があって。何もないところに電車を通し、電気と水道を引き、宅地開発をして分譲する。こうしてロサンゼルス都市圏が形成されたんだそうな。
真っ赤な電車が、大小取り混ぜて、いたるところ走りまわっていたそうです。
そうそう、トゥーンタウンジョリートロリーって、PEの電車の意匠をモチーフにしてます。


やがて、自動車メーカーがバス会社をつくり、客を奪い、自家用車に誘導し・・・一時は、公共交通機関が死滅した街になったと聞きます。
ロジャーラビットって、このあたりを背景にしたお話なんだそうですね!未見なんですが。
映画"Who Framed Roger Rabbit"撮影時のスナップショット集を発見。


都心には、立派なターミナルビルがあり、長期間「ミシシッピ川以西で最大の建物」だったらしい。
現況どうなってるのかなぁ・・・と調べたら、どうやらこれを、居住用として分譲するみたい。このサイト、往年の優美な写真も合わせてみることが出来ます。
で、このターミナル、1905年オープンで、1961年に電車が・1964年にバスが使用停止だったんですね。


80年前に地下鉄区間も開業!これまた1955年に使用停止され、以来、使われてないんですねぇ。PACIFIC ELECTRIC SUBWAY
1955年といえばディズニーランド開業の年。この時点で路線網ががっさり廃止されたみたい。
ターミナルが開業し路線網がほぼ形成された1905年は・・・阪神電鉄開業の年だなぁ。
今が2005年。この100年の丁度真ん中で、ディズニーランドが出来、電車が車に駆逐された。50年というスパン、短くもあり、長くもあり。


どんな時代にディズニーランドがオープンしたのか、ちょっと理解が深まった気がします。ウォルトが外周蒸気機関車の導入に熱心だったのも、鉄道そのものが消え行くかもしれない状況下だと思えば、よりうなずけるかなぁ。
過去の文化の素敵な側面と、未来像を提示する公園・・・


Google Earthロスアンゼルス都心を見ると、都心部には駐車場と空き地がたくさん。
都心の寂れっぷりは、今、日本の地方都市でも盛んに問題視されてますね。
一方で、ロスアンゼルスでも公共交通を復活させる動きが20年ほど前からあって。ブルーラインという電車が、ロスアンゼルスからロングビーチまで走ってます。ロスアンゼルス都心はちょこっと地下線、やがて路面を走って、新設高速道路の真ん中を走って、かつての鉄道絵線を整備して走って、ロングビーチ都心は路面をゆっくり。最近、PE色に塗られた車両も登場したみたい。
そのほか、かつての長距離列車の拠点、ユニオンステーションを起点にした、既存の鉄道を使った近距離路線網も、整備されつつあるみたい。真新しい駅が、そこここに。