未来いそっぷ 星新一著

「ある夜の物語」
本物のサンタクロースが、目の前に現れて「なんでも望みをかなえますよ」
さぁ、なんにしようか。あれこれ思いをめぐらせた結果、結局、「あの人が、もっと大変な思いをしてる。彼女の願いをかなえてあげて!」・・・そのことで、自分の中に暖かい気持ちが生まれる。
次の人も、その次の人も、結局おんなじように、ほかの人にプレゼント権を回して。


結局、サンタさんはなんにもプレゼントしなかった!けれど、おとづれた人みな、幸せになった。そして。

サンタクロースは、もしかしたら、きょう最も楽しさを味わったのは自分ではないかと思った。